効率の良い勉強法

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幸運なことに、薬学部一般入学試験・薬剤師国家試験・医学部編入試験を一発で通過してこれました。

勉強法について尋ねてくださる方が多かったので、自分の勉強法についてまとめてみました。

覚えたい時、アウトプットしたい時に分けて書いてますので目次を見て飛んでいくと早いです。


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何かを覚えたい時

物事をインプットしていきたい時に私が意識していることを紹介します。

共通点からグループ化していく


産婦人科診療ガイドライン2014 より引用

これは妊娠初期に服用すると奇形や毒性を引き起こす可能性のある薬剤の一覧ですが、みなさんはこれをどう読んでいきますか?

「うわっ…多すぎ。覚えられない」と感じるのではないかと思います。

これらの薬を1つ1つベターっと覚えていくのは茨の道です。なのでこれらの薬を作用機序で分類してみると…

◆抗癌剤
サリドマイド
シクロホスファミド
メトトレキサート

 

◆抗てんかん薬
カルバマゼピン
トリメタジオン
バルプロ酸ナトリウム
フェニトイン
フェノバルビタール

 

◆ホルモン関連薬
ダナゾール(テストステロン誘導体)
チアマゾール(甲状腺ホルモン産生阻害)

 

◆脂溶性ビタミン関連薬
エトレチナート
ビタミンA
ワルファリンカリウム(ビタミンK拮抗)

 

◆PGE1製剤
ミソプロストール

 

かなりすっきりしたと思います。

さらにこれらのグループの共通点を探すと、ひとつ見つかりました。

脂溶性が高いという性質です。

脂溶性が高いホルモンやビタミンはもちろんのこと、脳に作用するということは脂溶性が高いことを意味します。脂溶性が高いこれらの薬剤は胎盤さえも通過してしまうため胎児にも作用を及ぼします。

抗癌剤は増殖の早い細胞にダメージを与えやすい薬剤なので盛んに増殖している胎児に効きやすいですし、PGE1製剤は子宮収縮作用があるため流産や早産の恐れがあるため妊婦には用いません。

以上のように、なるべく暗記でなく共通点からグループ化できるようにすれば共通の副作用なので覚えやすく、かつ忘れにくい記憶になります。

 

細かいところから覚えようとせず法則を探す

高血圧治療ガイドライン2014 より引用

みなさんはこの表をどう覚えていきますか?覚える労力は減らしたいですよね。

まず、一番右の列の「家庭血圧」は覚えません。

よく見てみると、隣の「診察室血圧」から5引いたものになっています。(法則)

「診察室血圧」を覚えれば、そこから5を引くことで導けます。これで覚える量は半分になりました。

次に横、つまり行を覚えていきます。
今回は「若年、中年、前期高齢者患者」のみを覚えます。なぜなら、130、140、150と数値があってその真ん中なので、140を覚えればあとは後期高齢者ではプラス10、糖尿病とCKD患者ではマイナス10と考えれば楽だからです。

また、140/90というのは高血圧の診断基準なので既に頭にインプットされている知識とも結びつきやすいです。

3、4行のCKD患者と糖尿病患者は降圧目標が同じです。(共通点)

これは動脈硬化を引き起こしやすいため厳しめに設定されています。

 

ゴロ合わせを使う

ゴロ合わせなんて邪道だ!と思われる方もいらっしゃると思いますが、一番はじめに何も前提知識がない状態で覚えていく過程では効果的だと思います。

まずはゴロを使って頭の中に枠組みを作り、そのあとに細かい知識を入れていきます。

ゴロで一度覚えてしまえば、ゴロを使わずとも思い出せるようになります。そこから一歩踏み込んで、何が共通で何が違うのかを意識すると深い理解に繋がります。

ゴロ合わせはこちらの記事が人気です。
Gタンパク質共役型受容体ゴロとシグナル伝達

文字自体から連想できるようにする

たとえば抗結核薬のイソニアジド(INH)の副作用は何があったかという事項はゴロ合わせをつくるまでもありません。

ゴロ合わせはゴロ自体を覚えていなければ効果を発揮できませんが、「INH」の文字から連想できれば脳のメモリを圧迫しません。

既存の知識・他分野の知識と絡める

例えば、抗菌薬を勉強していく際に
ペニシリン系   ⇒腎排泄型
ニューキノロン系 ⇒肝代謝型
アミノグリコシド系⇒腎排泄型

このように系統ごとに腎排泄型か肝代謝型かを覚えていくのもいいですが、ここで有機化学の知識と繋げて、水溶性か脂溶性で抗菌薬の種類を分けてみましょう。

有機化学の観点
・脂溶性(ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系)⇒肝代謝型
・水溶性(βラクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系) ⇒腎排泄型

 

薬物治療学の観点
ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系は細胞内寄生菌に効く

 

このように各分野を横断すると、腎排泄型は腎機能障害の際に注意、肝代謝型は肝機能障害で注意しないといけないことも一緒に記憶できますし、脂溶性の薬剤は細胞膜を透過しやすいため細胞内寄生菌に効きやすいということも合わせて理解できます。

その都度考えればよいため、暗記は不要となります。

他の知識と関連させていくと記憶に定着しやすくなる上、社会人として働きだした時でも、自分で即座に考えられるようになります。

 

記憶に定着させたい時

ヒトは忘れやすい生き物です。一度覚えたと思っていても抜けているものです。

だからこそ自らの理解度を確認することは非常に重要です。

1項目勉強したら、何も見ずに説明してみる

一度講義を聞いたらわかったつもりになってしまいますよね。でも実際に自分で問題を解いてみてもできません。私はいつもそうです笑。

自分の理解度を試すためにも、「これを一言で言うと?」と自分に問いかけてみてください。

理解できているなら一言で説明できるでしょう。
理解が足りないならおそらく何も説明できません

例えば、アリピプラゾールという統合失調症の治療薬があるのですが、自分なら「めっちゃ空気読める人のイメージ」とまとめます。

ドパミン濃度が高い時には遮断作用を示し、低い時には刺激作用を持ちます。みんなのテンションが高すぎる時にはなだめる役を、テンションが低い時にはムードメーカーの役を担うような空気が読める人のイメージです。

一言で言えない、つまり理解が足りないことを気にやんだり自分を責めたりする必要はありません。それは当然のことだからです。

思い出す過程は脳に大きな負荷をかけます。そのため脳は「これは重要な情報なのか」と判断して長期記憶に移行しやすくなります。

自分で説明→分からなかったところをテキストで復習を繰り返す!

人間の脳は忘れるようにできていますし、1ヶ月前に合格した定期試験の過去問を解こうとしても細かい知識は抜けてしまっています。

東京大学薬学部の池谷教授がよく仰っていることですが、繰り返しインプットすることでシナプス間の伝達効率が上昇し、記憶に定着しやすくなります(長期増強といいます)。

一言で言うと、何度も見させられるコマーシャルの歌は意識せずとも覚えてしまう現象です。

また、心理学の分野に単純接触効果という、繰り返し接すると良い印象を持ちやすくなるという現象があります。

苦手な科目でも繰り返していると徐々に好きになってくる→繰り返しているうちにわかることが多くなりさらに好きになる→だんだんと得意科目になっていきます。

高血圧治療ガイドライン2014 より引用

この表は2回目の登場です。上で覚えられたはずなのにもう忘れていませんか?

表の数値を右手で隠して、思い出せるだけ思い出してみましょう。記憶できているところとできていないところが出てくると思います。

ペンキ塗りのように、記憶が薄いところは塗り直して、全体が塗られた状態になるように繰り返していきましょう。

メンタル面の保ち方

最終的なゴールを意識する!

勉強してもなかなか成果が現れない時、人と比べて落ち込んでしまうことはありませんか?「あいつはあんなに出来るのにこんな簡単なことさえ出来ない自分は…」などなど

こういった考え方は辛いですし、やる気を削がれます。

私たちは勉強をして、最終的には「自分で判断できるようになる」のがゴールですので、他人は関係ありません。

現段階で他人の方が理解が進んでいたとしても、いずれは同じくらいのレベルに達します。そう考えれば焦らなくなるのではないでしょうか。

「出来なくて当然」のスタンスで勉強する

「問題が解けない」とか、「覚えたはずなのに」と自分を責めてしまうとやる気が削られていくので、その時は「分かっていないところがわかったんだ」と前向きに捉えるように心がけましょう。

好きな漫画を繰り返し読む時には、たとえその内容を忘れていたとしても自分を責めることなく読めますよね。

サクサクと解き進めて、サクサク覚えていきましょう。
解けないならそれ以上は時間をかけずに解説を見て、答えに至るまでの考え方や内容を染み込ませていきます。

オススメ書籍

これは買ってないと確実に損です。論文を読んで読んで集積したエビデンスに基づく勉強法が紹介されています。

レビューはこちら
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以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでもお役に立てたのなら幸いです。

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