COX-2選択的阻害薬と心筋梗塞リスク

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高齢者などで日常的によく用いられるCOX2選択的阻害薬。そのリスクとは?

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COXの阻害による影響

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COX選択性がない場合、常時発現しているCOX-1を阻害することにより胃障害・腎障害の副作用が出る。

COX-2選択的阻害薬はCOX-1を阻害しにくいために上記の副作用頻度が少なく、長期間服用する必要のある整形外科などで頻用される。
しかしCOX-2阻害により、血管拡張や抗血小板作用を持つPGI2産生が抑制される一方、COX-1を阻害しないため血管収縮や血小板凝集作用を持つTXA2が産生され、心筋梗塞などの心血管イベントリスクが高くなると考えられている。

エビデンス

カナダとヨーロッパの医療データベースから44万6763人分の患者データを用いたメタアナリシス。
Risk of acute myocardial infarction with NSAIDs in real world use: bayesian meta-analysis of individual patient data. – PubMed – NCBI

 

P:50代後半以降のCOX-2阻害薬を服用している高齢の患者
E:セレコキシブ・rofecoxibなどのCOX-2選択的阻害薬、ジクロフェナク・イブプロフェン・ナプロキセンなどのCOX非選択的阻害薬の投与
C:NSAIDs非使用者や上記各群間で比べて
O:全てのNSAIDsは心筋梗塞発症リスクを増大させた。セレコキシブによる心筋梗塞リスクは、これまでのCOX非選択的阻害薬と同等で、rofecoxibより低かった。
使用開始後1か月間が最もリスクが高く、用量依存的にリスクは高くなった。

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Bally M, et al. BMJ. 2017.より引用
www.ncbi.nlm.nih.gov

 

投与量とリスク

8~30日間(1か月未満)の連日投与では、
セレコキシブ:200mg以上
ジクロフェナク:100mg以上
イブプロフェン:1200mg以上
ナプロキセン:750mg以上
でリスクが高い。

 

≪日本での上限量≫
セレコキシブ:400mg
ジクロフェナク:100mg
イブプロフェン:600mg
ナプロキセン:600mg

投与期間とリスク

いずれのNSAIDsも7日間以内でリスクが高い。
8~30日間では上記の通り用量依存的で、最もリスクが高い。
30日以上ではリスクの傾向は薬剤ごとに異なる様子。

 

COX-2選択的阻害薬の方がリスクが高いと思っていたが、イブプロフェンやジクロフェナクなどの従来の非選択的阻害薬と同等なのは意外だった。
いずれのNSAIDsでもリスクがあるため、心筋梗塞既往の方には避けるのが望ましい。
しかし、それでも使わなければならない場面では、投与開始1週間から4週間は注意しておくべきか。

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