インフルエンザ菌にはどの抗菌薬を使う?抗菌薬選択

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この細菌にはこの抗菌薬…って覚えていくのは大変だと思いませんか?私もそう思っていましたし、ポリクリで一緒に回った医学生にも「これどうやって覚えてる?」と聞かれたこともあります。

整理して行くとそんなに大変じゃないことがわかると思います。それではまいりましょう。

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オススメの書籍

オススメの書籍はこちらです。

3000円代と手に取りやすい価格なのですが、初学者にわかりやすく抗菌薬を解説してくれています。網羅的でかつまとまっていますので苦手意識がある方は他の入門書よりもこちらが読みやすいと思います。

この本が何より素晴らしいと思うのは、理解度を確認するために症例が提示され、設問形式で問われるところです。

インプットしただけではただの知識です。症例に対して判断する経験を通じてようやく知識が見識になります。

実習に行くたびにこのことを痛感させられます。必ずアウトプットを意識!

インフルエンザ菌って?

画像はイメージです。

まずは敵を知りましょう。別名インフルエンザ桿菌

臨床で問題となるのは主にグラム陽性球菌とグラム陰性桿菌の感染症ですが、インフルエンザ桿菌という別名にもある通り、インフルエンザ菌はグラム陰性桿菌です。

正式にはHaemophilus influenzae(ヘモフィルスインフルエンザ)といいます。

どこに局在しているのか?というと、口腔や上気道にいます。健常人にも存在している常在菌です。

北里柴三郎先生がインフルエンザ患者の鼻咽頭から発見し(常在菌ですから当然ですね)、当時はインフルエンザの原因と考えられたためインフルエンザとついていますが、インフルエンザの原因菌ではありません。

口腔や上気道に存在しているためそこから耳に行けば急性中耳炎、鼻に行けば急性副鼻腔炎、気管に入れば肺炎を引き起こします。

莢膜を持つb型株は、「Haemophilus influenzae」の頭文字からHiをつけて、「Hib」(ヒブ)と呼ばれています。莢膜があると免疫細胞に貪食されにくいため、乳児の髄膜炎急性喉頭蓋炎の原因となることで有名です。そのためワクチンが作られています。

抗菌薬選択

インフルエンザ菌は、元々はペニシリン系が有効だったのですが、耐性化によりペニシリン系を分解するβラクタマーゼを産生する株が出現しました。これがBLPAR。

さらにβラクタム系の作用部位であるペニシリン結合タンパクの変異した株も出現し、ペニシリン系のみならず第2世代セフェム系まで耐性を持つようになってきています。これがBLNAR。

以上のことから抗菌薬は以下の通りです。

  • β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗菌薬
  • 第 3 世代セファロスポリン系抗菌薬(セフェム系)
  • キノロン系抗菌薬

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでもお力になれたなら幸いです。

 

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