花粉症(抗ヒスタミン薬)の違い ビラノア、デザレックス、アレグラ、アレロック、ザイザル、タリオン、アレジオン、エバステル、ジルテック、クラリチン

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作用機序

耳鼻科などでよく処方されるビラノア、デザレックス、アレグラ、アレロック、ザイザル、タリオン、アレジオン、エバステル、ジルテック、クラリチンなど抗アレルギー薬は多くの種類がありますが、その違いを比べてみました。

お急ぎの方は「目次」→「抗ヒスタミン薬の比較」まで飛んでください。



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アレルギー性鼻炎のメカニズム

<水っぽい鼻水(鼻汁)>

意外なことに、鼻汁をつくる鼻腺細胞にはヒスタミン受容体がありません。

ヒスタミンが鼻粘膜の知覚神経を刺激して、上唾液核などの分泌中枢に刺激が伝わり、副交感神経を介してアセチルコリンが分泌されます。

アセチルコリンが鼻腺のアセチルコリン受容体に作用して鼻汁を分泌させる。

まとめると、

ヒスタミン→アセチルコリン分泌促進→鼻汁分泌

このメカニズムからも言えることですが、抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代がありますが、第1世代にはアセチルコリンをブロックする作用(抗コリン作用)もあるので、第2世代よりも鼻水を止める力は強いです。

<鼻詰まり(鼻閉)>

ヒスタミンやロイコトリエンが鼻粘膜の毛細血管を拡張させたり、血管透過性を亢進させることでうっ血や浮腫が起こって、鼻粘膜が膨張して通り道が狭くなる。

抗ヒスタミン薬の比較

基本的に症状を抑える作用は第一世代>第二世代なので、ここでは第二世代の抗ヒスタミン薬を比較します。

 

効果の強さ(患者さんの感想に基づく)

※直接比較が少なかったため、完全にエビデンスに基づいているわけではなく、処方医とのディスカッションや、患者さんからの服用後の感想に基づいて作成しました。

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※あくまでも私の主観です。効きやすさは完全に個人差があります。

耳鼻科の先生に尋ねてみた結果とも概ね合っていました。しかし、管理の費用の関係から、病院には採用薬という縛りがありますので、使ったことが無い薬があるとも仰っていましたので、本当に薬局薬剤師の主観です。

この表で「強い」に入っている薬は私もひどい鼻水を止めたい時にもらうようにしていますし、割とすぐに効果を実感できます。

効果が強い分、眠気もきたしやすいのが玉に瑕ですが、新しく登場したビラノアやデザレックスは本当に眠気がきにくいです。製薬企業の努力というのは凄いですね。

眠気の比較

PubMedという海外の論文のデータベースで検索してみると、次のような処方のアルゴリズムがあるみたいです。

Recto MT et al. Selecting optimal second-generation antihistamines for allergic rhinitis and urticaria in Asia. Clin Mol Allergy (2017) p15-19 doi: 10.1186/s12948-017-0074-3より引用

こちらでは、パイロットや運転手、高度な機械操作に従事している人かどうかというチェックポイントが一番下にあります。これが「眠気をきたしにくいか」に一番近いと思います。

この文献からは、ビラノア、デザレックス、アレグラが眠気をきたしにくいようですが、薬剤師として働いている時に患者さんに伺ってみたところ、これらの薬に加え、クラリチンも眠気をきたしにくいようでした。

少しでも参考になれば幸いです。

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参考文献

・山越隆行 鼻過敏症状発現におけるヒスタミンの意義 日本鼻科学会会誌

・斎藤洋三 花粉症の科学 化学同人 2006

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