2019年より、コデインは12歳未満の小児へ投与禁忌となるようです。
禁忌となった背景
アメリカでのコデインによる呼吸抑制などのモルヒネ関連中毒死亡例の9割が12歳未満であったため、アメリカ食品医薬品局(FDA)が今年の4月に禁忌に設定したことを受けてのもの。
コデインの作用機序・代謝
モルヒネと類似構造を有し、オピオイド受容体に結合する。
鎮痛作用はモルヒネの約 1/6、精神機能抑制作用、催眠作用及び呼吸抑制作用は約1/4
主にμ受容体に作用し、延髄の咳中枢に直接作用して咳反射を抑制することにより咳を鎮める。
コデインの大半が肝臓でグルクロン酸抱合を受け、およそ10%がCYP2D6によってモルヒネに代謝される。
リン酸コデイン錠5mg 「ファイザー」 インタビューフォームより引用
CYP2D6の遺伝子多型
個別化医療実現のための医薬品開発 2008年1月 医薬出版センター発行 より引用
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/publishing_center/pdf/007.pdf
EM: ExtensiveMetabolizer 通常代謝型
IM: Intermediate Metabolizer やや活性の低下した中間代謝型
PM: Poor Metabolizer 酵素活性は完全に消失している低代謝型
UM:Ultrarapid metabolizer 活性の高い変異型
IM: Intermediate Metabolizer やや活性の低下した中間代謝型
PM: Poor Metabolizer 酵素活性は完全に消失している低代謝型
UM:Ultrarapid metabolizer 活性の高い変異型
CYP2D6活性が過剰な場合、モルヒネへの変換量が多く、呼吸抑制リスクが高まる。
日本人の場合、活性が過剰なUMはほとんど見られない。
日本での死亡症例もないみたいですが、安全のためということでしょう。
フスコデシロップとか錠剤とかメーカーも卸の方も在庫はいっぱいあるでしょうから、2018年は移行期間ということです。
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