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Gタンパク質共役型受容体とシグナル伝達 ゴロ

2017年1月19日

薬剤師国家試験でも問われる生物学の基礎の部分で、かつ薬理や薬物治療にも関係してくるGタンパク質共役型受容体。

しかしどのアゴニストがどのGタンパクと共役してるのかなかなか覚えにくいですよね。私が使っていたゴロを紹介します。

暗記するだけでは今後の国家試験に対応できないので、その下流のシグナル伝達と生理学までざっくりやりましょう。そうすると本番で忘れてしまっても思い出しやすくなります。

イメージによるこじつけの部分もありますがご了承ください…

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Gタンパク質とは

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ガイトン生理学 原著11版より引用

Gタンパク質は、α、β、γの3つのサブユニットから構成されています。そのうち、Gαタンパク質のみがグアノシン二リン酸(GDP)やグアノシン三リン酸(GTP)と結合できます。

GTPと結合したGαタンパク質は活性型で、GDPと結合したGαタンパク質は不活性型です。

いつまでも活性型でいると過剰な反応が起こってしまうので、Gαタンパク質にはGTPをGDPへ分解する能力が備わっています(GTPase活性)。

ちなみにこの能力を阻害するものがコレラ毒素です。
→アミティーザの作用機序とコレラ毒素

リガンドが結合するとGDPをGTPと交換して活性型となります。活性型となったGαは、Gβγと解離して、次の効果器へシグナルを伝達します。

Gαには、Gαs、Gαi、Gαq、Gαt、Gαolfなどの種類があり、それぞれ作用が異なります。中でも薬に関与するのはGαs、Gαi、Gαqで、国家試験で問われるところです。

以下は全てGαタンパク質なのでαを省略します。

 

Gsタンパク質共役型受容体

じーさん ベタベタ エッチに アイツ ダイスキ 兄も グル

じーさん=Gsタンパク
ベタベタ=β1受容体、β2受容体
エッチに=H2受容体
アイツ=PGI2受容体
ダイスキ=D1受容体
兄=A2受容体(アデノシン受容体)
グル=グルカゴン受容体

 

◆Gsタンパク質共役型受容体のシグナル伝達

<イメージ>
じーさん⇒が悪いイメージ
=(AC)アデニル酸シクラーゼ
Gsのsはstimulate刺激の意味なので、アデニル酸シクラーゼ活性化
シクラーゼはcyclase(環状にする酵素)なのでそれによりATPがcAMP(サイクリック)つまり環状のAMPへ変換されます。
cAMPはPKAを活性化し、PKAが種々のタンパク質をリン酸化。

太字の部分さえおさえれば思い出せなくても連想しやすいと思います。

<ここから各論>

心筋

運動中など、動いている時に交感神経が興奮して心拍数が上昇します。

β1→Gs→AC→cAMP→PKA→細胞膜や筋小胞体のCa2+チャネルがリン酸化されて開口→細胞質へのCa2+流入増量→心筋収縮力増強

心原性ショックや急性心不全の際にはβ1刺激薬を投与する根拠となります。

平滑筋

気管支や消化管に平滑筋がありますが、どちらも交感神経によって弛緩し、副交感神経によって収縮します。

β2→Gs→AC→cAMP→PKA→ミオシン軽鎖キナーゼがリン酸化され活性低下→ミオシン不活性状態のまま→平滑筋弛緩

気管支喘息ではβ2刺激薬を用います。消化管にはアドレナリン受容体よりアセチルコリン受容体の方が優位なのでβ2刺激薬は用いません。

ちなみに、β刺激薬が低カリウム血症を引き起こす機序は、β刺激→AC→cAMP→PKA→Na+,K+-ATPase活性化⇒細胞内へのカリウム取り込み亢進によるものです。

H2受容体→Gs→AC→cAMP→PKAがプロトンポンプ(H+,K+-ATPase)を活性化するため、胃内腔へのプロトン放出が促進されて胃酸分泌が亢進します。

だからH2ブロッカーが効くわけです。

膵臓のα(A)細胞

グルカゴンやアドレナリン・ノルアドレナリンが反応して、

PKA活性化→グリコーゲンホスホリラーゼキナーゼ活性化→グリコーゲンホスホリラーゼ活性化→グリコーゲンよりグルコース一1リン酸が切り出される→肝臓でグルコースー6ホスファターゼでグルコースへ変換⇒血糖値上昇。

 

Giタンパク質共役型受容体

あい は まだまだ(MαD)×2 がんばるべー

アイ=Giタンパク、A1受容体(アデノシン)
まだまだ=M2受容体、α2受容体、D2受容体
がんばるべー=GABAB受容体

 

◆Giタンパク質共役型受容体のシグナル伝達

<イメージ>
Giのiはinhibit(抑制)の意味。アデニル酸シクラーゼを抑制するためGsタンパクのシグナル伝達とは逆の作用を持ちます。

Giタンパクは少し特殊で、おおよそ中枢神経に発現しているものと考えた方がわかりやすいです。

 

<各論>

α2受容体

α2受容体は、ほかのサブタイプもありますが、ほとんどは中枢神経のシナプス前終末(神経伝達物質を分泌する側の軸索末端)に発現しています。

自ら分泌した神経伝達物質を認識する自己受容体であるため、その量を調節するフィードバックに関与しています。神経終末のノルアドレナリン濃度が高すぎると

α2刺激→Gi→AC活性低下→cAMP産生低下→チロシンからドパミンへの変換酵素(チロシンヒドロキシラーゼ)活性低下→ノルアドレナリン産生低下→ノルアドレナリンがα1受容体に作用せず血圧低下

GABA B受容体

に広く分布している受容体ですが、Cl-イオンチャネルであるGABA A受容体とは異なり、Gタンパクを介して作用します。GABA神経のシナプス前終末もまた自己受容体であり、GABA濃度が高すぎると、

GABA B刺激→Gi→Ca2+チャネル抑制→GABAのエキソサイトーシス(分泌)を抑制

M2受容体

M2受容体は主に心筋に存在します。

Gi→K+チャネル開口→K+流出→心房筋過分極→活動電位が発生しにくくなる⇒心拍低下

抗コリン薬のアトロピンは、受容体遮断により心拍上昇させるため徐脈の治療薬として用いられます。

 

Gqタンパク質共役型受容体

アイ マイ ミー ハイ あたい たくじ キュートでしょ

アイ=α1受容体
マイ=M1受容体
ミー=M3受容体
ハイ=H1受容体
あたい=AT1受容体
たくじ=TXA2受容体
キュート=Gqタンパク

◆Gqタンパク質共役型受容体のシグナル伝達

<イメージ>
キュート(Gq)なオカマのたくじは、ぷるぷるなくちびる(PLC)ホスホリパーゼCが欲しいイメージ。

PLCはPIP2(ホスファチジルイノシトール2リン酸)を分解します。
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図はPIP2を表していて、赤いはさみはPLCが切断する部位です。これによりジアシルグリセロール(DAG)とイノシトール3リン酸(IP3)へ分解されます。

平滑筋は収縮と弛緩ともに同じカスケードで起こる

平滑筋においては、DAGはPKCを活性化させ、筋収縮が起こります。

IP3は筋小胞体からCa2+の遊離を促進、Caがカルモジュリンと結合して複合体を形成し、ミオシン軽鎖キナーゼを活性化し、ミオシンがリン酸化され、ミオシン軽鎖がアクチンをたぐり寄せ、その結果平滑筋の収縮が起こります。

アセチルコリンはM3受容体→PLC活性化と同じカスケードですが弛緩します。アセチルコリンで血管が拡張する理由

平滑筋の収縮メカニズムも合わせて復習しましょう。

平滑筋の収縮、カルシウム拮抗薬との関連についてはこちら
→平滑筋とカルシウム拮抗薬

薬剤師国家試験にチャレンジ!

それぞれの受容体に作用する物質とその効果が結びつけられると、薬理学ともリンクしますし、定期試験やCBT、国家試験でも禁忌などに対応できます!低学年のうちからしっかりおさえておきましょう。

第102回薬剤師国家試験 問27より引用

Gタンパク質共役型受容体はどれか。1つ選べ。

1 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体

2 ストリキニーネ感受性グリシン受容体

3 ニコチン性アセチルコリン受容体

4 ヒスタミンH2受容体

5 インスリン受容体

答えは4。ゴロで覚えていれば、他の受容体を知らなくても正解にたどり着けます。

第102回薬剤師国家試験 問151より引用

細胞膜受容体の細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 アセチルコリンNM受容体(筋肉型ニコチン性アセチルコリン受容体)を刺激すると、イオンチャネルが開口し、終板電位が発生する。

2 ヒスタミンH1受容体を刺激すると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼか活性化され、細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度が上昇する。

3 アドレナリンα2受容体を刺激すると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。

4 オピオイドκ受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が抑制され、細胞内cAMP濃度が減少する。

5 セロトニン5-HT3受容体を刺激すると、イオンチャネルが開口し、抑制性シナプス後電位が発生する。

答えは1と4です。

Gタンパクが理解できていると、こんな応用も効きます!
β遮断薬中毒にグルカゴンを用いる理由・作用機序



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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。