腎動脈狭窄でACE-I・ARBが慎重投与な理由

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作用機序
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意外と知らない人も多いみたいなので記事にしてみました。

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解剖・生理の復習

http://chousei58.com/?cat=13057&paged=9より引用

糸球体に入ってくる動脈を輸入細動脈、出ていくものを輸出細動脈といいます。

緻密斑でClの低下(NaCl低下)を感知すると、傍糸球体装置からレニンが分泌されます。

レニン以下のカスケードで産生されたアンジオテンシンⅡは輸出細動脈を収縮させて糸球体の内圧を高めます。(出口だけ狭くなるため)

これらの反応の意義としては、緻密斑でのNaCl低下で血圧が低下し濾過量が下がってしまうところを、糸球体内圧を高めることで代償しているわけです。

腎動脈狭窄とは

名前の通り、腎動脈が狭窄している病態です。狭窄のため腎血流は低下するためレニン分泌が亢進しています。

腎血流が低下すると濾過量も減ってしまいますので、それを代償するためにアンジオテンシンⅡを産生して輸出細動脈をしめて糸球体内圧を保っている状態です。

そこにRA系阻害薬を投与すると

その状態にACE阻害薬やARBを投与すると、アンジオテンシンⅡの作用をブロックするわけですから出口である輸出細動脈だけを拡張し、糸球体内圧を低下させてしまい濾過量が低下してしまいます。

つまり一気に腎機能が低下してしまうということです。元々濾過量が少ない状態に加えさらに濾過量を下げてしまう恐れがあり、そのため慎重投与とされています。

国家試験問題で理解度をチェック!

第99回薬剤師国家試験 問260より引用

68歳男性。10年前より、糖尿病の治療を継続中である。定期検診時に随時尿の尿中アルブミン/クレアチニン比が350 mg/gであった。本日の診察時の血圧は150/95 mmHgであり、高血圧治療のためロサルタンカリウム錠25 mgが追加となった。

この患者にロサルタンカリウム錠が追加された理由及びその使用上の留意点について誤っているのはどれか。2つ選べ。

 腎動脈狭窄のある患者へも安全に使用することができる。
 タンパク尿を伴う2型糖尿病の糖尿病性腎症に適応がある。
 血清カリウム値を確認する必要がある。
 血清クレアチニン値の経過を確認する必要がある。
 血糖値が上昇する可能性がある。

正解・解説はこちら
正解は1と5です。

1 誤り。上で説明した通りです。

2,3,4 ○。

腎動脈の狭窄さえなければ、ARBはアンジオテンシンⅡの作用をブロックするため輸出細動脈を拡張させて糸球体内圧を下げます。内圧が下がれば糸球体への負荷も下がるため腎保護作用が期待できるわけです。

内圧が下がる分、濾過しにくくなるのでクレアチニンの排泄も低下し、投与後は血清クレアチニン値が上昇しやすくなりますので定期的にフォローする必要があります。

また、アンジオテンシンをブロックしているため、その作用であるNa貯留・K排泄が起こらないので高K血症となりやすいです。チェックが必要。

5 誤り。むしろ低血糖の記載ありますが、稀です。他の選択肢を除外して選びましょう。豆知識として尿酸低下作用もあります。


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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