抗菌薬 アミノグリコシド系・グリコペプチド系のまとめ・ゴロ

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学生にとって最初とっつきにくい代表例が抗菌薬ですよね。薬学生の時のポリクリで一緒に回ってた医学生によく質問されてましたが、今は同級生の医学生から質問を受けているのはなんだか感慨深いです。

構造を見るなどの薬剤師の視点から、それぞれの特徴とゴロ合わせをご紹介します。

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アミノグリコシド系

ゴロ

ストレートヘアのアミちゃん、カナちゃん、飛ぶほど元気ある!

ストレート:ストレプトマイシン
アミ:アミノグリコシド系、アミカシン
カナ:カナマイシン
飛ぶ:トブラマイシン
元気:ゲンタマイシン
ある:アルベカシン

特徴

ゲンタマイシン 硫酸塩注射液10mg「日医工」 添付文書より引用

構造を見ると、が3つあって、それらにアミノ基が結合しています。だからアミノグリコシド。

糖やアミノ基は水溶性なので、アミノグリコシドは腎排泄型。腎排泄型ということは腎を通過し腎毒性を発揮しやすいです。

水溶性のため外膜を持つグラム陰性菌には届かないように思いますが、グラム陰性菌はアミノグリコシドを能動的に細胞内へ取り込む機構があるため主に緑膿菌を含むグラム陰性桿菌によく効きます

一方で嫌気性菌には取り込み機構がないため効きません。

また、神経筋接合部の伝達阻害作用があるため重症筋無力症には用いにくいです。主にCaが神経に流入するのをブロックします。

また、Caチャネルを介して蝸牛の有毛細胞に入っていくことで聴神経障害も起こしやすいため、血中濃度を測定して有効家中濃度域にあることを確認する必要があります。

グリコペプチド系

ゴロ

グリコはお菓子の定番

グリコ:グリコペプチド系
定:テイコプラニン
番:バンコマイシン

特徴

グリコペプチド系は特に、構造と副作用・注意点が論理的に導ける薬剤です。

細胞壁のD-Ala-D-Ala部分に結合して細胞壁合成阻害作用を示します。

塩酸バンコマイシン点滴静注用 添付文書より引用

構造を見ると、糖が2つ結合していて、かつ他の部分はペプチド結合を含んでいて大きな分子を形成しています。→だからグリコペプチド

分子量が大きいのでグラム陰性菌の外膜を通過できません。→グラム陰性菌には効かないということになります。

また、分子量が大きいので経口投与しても消化管から吸収されません。

糖がついているので水溶性です。砂糖が水に溶けやすいのをイメージすればわかりやすいかと思います。→腎排泄型です。

腎排泄型なので、腎を通過する際に腎毒性を発揮しやすいため、血中濃度をモニタリングして投与量を調節すること(TDM)が必要になります。

アレルギー反応ではないのですが、急速に静注するとヒスタミンを遊離させて体幹の上部に紅潮が出現します(Red neck症候群)。投与時間は1時間以上に設定しましょう。

そのほか押さえておくべきなのは、バンコマイシンがMRSAの第一選択ということです。

 

オススメ書籍

薬剤師1年目に買った本です。医学生や薬学生、研修医などこれから勉強して行く方の入門書として最高にわかりやすい本です。演習問題も各章に配置されているので理解度の確認もできます。そんなに厚くないので持ち運びやすいし、安いのでオススメです。

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