薬剤師国家試験の勉強方法とおすすめ参考書

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薬剤師国家試験の受験を控えた薬学生の方から、国家試験の勉強法について質問を受けましたので、公開しておこうと思います。

私は第99回の国家試験を合格できましたが、今思うとバタバタしていて時間もなく、あれでよく受かったなと思います。

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受験までのスケジュール

1月半ばまで研究室で、教員により強制されて後輩の研究の立ち上げを手伝っていました。

当時は受験日が3月1日、2日でしたが、本当に時間が足りませんでした。

282点取れましたが、やっぱり短期記憶だったのか今は使ってない知識は抜け落ちてます…

確実な知識とするためにも早め早めに取り組むことをお勧めします!!

実際の勉強方法

↑の記事にも書いていますが、あくまでも主体は問題演習です。参考書を一から読んでいたらまず間に合わないので。

 

オススメ教材

             

これだけです。教材は他の予備校が出しているものを使ってもいいですが、浮気してあっちもこっちもという風に使うと消化不良を起こして結局何も頭に残りません。

なので使う参考書は1つに決めてそれだけを何度も繰り返して使ってください。

勉強の順番

やり方の鉄板は、下のサイクルの繰り返しです。

領域別問題を解く→わからなかったところを青本で見る→領域別問題→青本…

これまでの6年間で、自分が得意なところや研究に関連しているところは覚えていますが、その他は忘れていることが多いので、「解けなくて当然」というスタンスで臨んでください。

重要ポイント

国家試験勉強で重要なポイントは、

「最低でも2周して記憶を定着させる」

「原理を理解して類推する」

「他の科目と繋げる」

だと思います。

まずはざっくりと領域別問題集を各分野1周し、どんなことがわかっていないと解けないのか、自分はどれくらいやばい状況なのかということを認識していきます。

初見で解けた問題は原理まで理解できていることが多いので○をつけて解説はサラッと流す。できなかった問題は×をつけて2周目に回しましょう。

問題集で学んだことは青本に書き込んで自分専用のまとめノートにしてしまいましょう。

ここでは各分野のおおまかな知識を頭に入れていくのが目的です。

そして2周目には、各分野を横断的に繋げていきます。

科目を横断して知識を繋げていく!

テトラサイクリン系のミノサイクリンが過去問に出た時を例にとってみましょう。

薬剤師国家試験 第99回問267
40歳男性。薬局で下記の成分を含有する一般用医薬品を購入した。近医でマイコプラズマ肺炎と診断され、薬局に処方せんを持ってきた。薬局では処方薬のミノサイクリン塩酸塩錠を調剤して、これを服用中は下記の一般用医薬品の服用を控えるように指導した。

その理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

 ミノサイクリンの溶解が促進され、吸収速度が上昇する。
 難溶性のキレートが形成され、ミノサイクリンの吸収量が減少する。
 ミノサイクリンの胃内での分解が促進され、吸収量が減少する。
 ミノサイクリンの消化管上皮細胞内での代謝が抑制され、吸収量が増加する。
 胃内容排出速度が低下し、ミノサイクリンの吸収が遅延する。

正解は2です。

有機化学の観点

「ミノサイクリンはテトラサイクリン系でベンゼン環に似た環状構造が多いよなぁ」
炭素が多いから脂溶性かな?」「環状構造だからキレートを形成しそう」

微生物学の観点

脂溶性ってことは細胞膜通過しやすそう」「主に細胞内寄生菌に効くのかな」
「細胞内寄生といえばリケッチア、クラミジアか」「細胞壁がないマイコプラズマにも効くかも」

薬物治療学の観点

「細胞内寄生の非定型肺炎ではこれが治療に用いられるかも」

薬剤学の観点

脂溶性だし、腎排泄型ではなさそうだな」「むしろ肝障害で注意が必要そうだ」

実務の観点

「キレート形成しやすそうな構造ってことは、2価とか3価の金属イオンと相互作用して吸収が低下しやすそうだな」

生物学の観点

骨に多いカルシウムも2価の金属イオンだし、キレート作って歯に沈着するかも」

 

このように各分野の知識を総動員することで、別の分野を勉強してても登場してきますし、知識の定着を図れます。しかも推測する能力を鍛えられるので、思考能力を問う今の薬剤師国家試験に適したやり方だと思います。


以上です。

薬学生の方々から多くご質問いただいています。わからないことがあればお問い合わせにお気軽にどうぞ。

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