薬理学の勉強法とオススメ教科書〜薬がみえるを用いて〜

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一度薬剤師として働いた後、医学部で薬理学を学び直していると、その重要性を痛感します。

医学生や薬学生は、1〜2年次に基礎医学として生化学や生理学、解剖学、微生物学、病理学を学びます。

薬学生だった当時はイメージを持っていないために、何故これらの学問が重要なのか、その意義を理解しながら学ぶことができませんでした。

一方、臨床科目では各診療科の疾患を学びますが、その際に用いられる薬物治療において、何故特定の薬が用いられるのかについては原理を理解しなければただの暗記になってしまいます。

ただの暗記では記憶の半減期が短く、実用性もありません。楽しく、効率よく学んでいきましょう!

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薬理学の重要性って?

基礎医学の観点から

例えば、肺結核を基礎医学それぞれの観点から見てみましょう。

生化学・微生物学
結核菌がミコール酸という超高級脂肪酸を持つことがわかっているため、イソニアジドでその合成を阻害したり、チールニールゼン染色という診断に重要な検査が用いられています。

 

生理学・病理学・免疫学
結核菌はマクロファージに貪食されても生存するものがあり、封じ込めるために肉芽腫が形成されることがわかっています。そのため細胞内寄生菌にも効くピラジナミドが基本的に用いられます。

 

解剖学・微生物学
偏性好気性菌である結核菌は、酸素分圧が高い肺尖部で増殖しやすいことから、好気性菌に効きやすいストレプトマイシンが用いられます。

これらのように、薬理学は基礎医学と臨床医学を結びつける学問です。

実際、病態から治療法を考えるので疾患の勉強にもなります。

<薬理学を臨床で応用してみましょう>
経口糖尿病薬の作用機序と副作用・使い分け

勉強のコツ1 〜ステムを知る!〜

最初から細かく、「ロキソプロフェンはNSAIDsで酸性で…」と覚えていくのではなくて、まずは大きいくくり、グループでざっくり覚えていき、その後でロキソプロフェンとかイブプロフェンとかの細かな違いに入っていくとスムーズです。

グループ化するためにも、薬品名をよく観察して、共通の語尾、つまりステムを見つけます。

ロキソプロフェン、イブプロフェンなら「〜プロフェン」

一度語尾がわかれば、知らない薬品名に遭遇した時でも類推できるようになりますので覚える量がグッと減ります!!

「~アゾラム」「~アゼパム」ベンゾジアゼピン系薬
「~ァゾール」アゾール系抗真菌薬
「~ォロール」β遮断薬
「~カイン」局所麻酔薬
「〜グリフロジン」SGLT2阻害薬
「~サルタン」アンギオテンシン受容体拮抗薬
「~スチグミン」AChE阻害薬
「~ジピン」ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬
「~セトロン」5-HT3遮断薬
「~チジン」H2受容体拮抗薬
「~ナビル」プロテアーゼ阻害抗HIV薬
「〜ニジン」α2受容体拮抗薬
「~バスタチン」HMG-CoA還元酵素阻害薬
「〜フィリン」テオフィリン系気管支拡張薬
「〜プラゾール」プロトンポンプ阻害薬
「~プリル」ACE阻害薬
「~プロフェン」プロピオン酸系NSAIDs
「~ルカスト」ロイコトリエン受容体拮抗薬
「~オキサシン」ニューキノロン系抗菌薬
「〜シリン」ペニシリン系抗菌薬
「セフ〜」セフェム系抗菌薬
「〜ペネム」カルバペネム系抗菌薬

ぜひ試してみてください!

勉強のコツ2 〜病態生理を書く!〜

薬は必ず何かしらの疾患をよくしようと開発されています。その際に疾患の病態、生理からここに効かせたいと計画されて作られているので、病態生理を知らないことには薬理作用も覚えにくいです。

上の記事はエロビキシバットが新しく承認される際に作用機序を調べて書いた記事です。どうやって効いてるのか知るために、通常の胆汁酸はどんな風に体内を動いているのかという前提知識が必要となります。

こんな風に自分でざっくりした図を書くと理解しやすいように思います。

後述する「薬がみえる」はこの図が綺麗なイラストでまとめられていますので、それを使うのが書くより早いかもしれません。

勉強のコツ3〜ゴロ合わせ・文字から連想!〜

COX2阻害薬には何があるのでしょうか?メロキシカム、エトドラク、セレコキシブ…

これをそのまま見ても覚えにくくないでしょうか?

だって初対面の相手の名前を覚えるのと同じですからね。まずはゴロ合わせやその薬剤名から連想してみましょう。

暗記ではなくゴロやイメージを使って理解をすると勉強が楽しくなり、辛くなくなると思います。

例:セレコキシブの「セレコ」はselective選択的の意味。

くだらないんですが、これで一度覚えてしまえば、あとは薬の名前を見るだけで作用機序や副作用が思い出せます。

勉強のコツ4〜アウトプットを繰り返す!〜

人は忘れる生き物です。だからこそ何度も何度も繰り返しましょう

現場の薬剤師が薬剤名から作用機序をパッと想起できるのは毎日繰り返されているからです。

アウトプットをすると、自分がわかっていないところが判明しますし、危機感も抱けるので、後のインプットが捗ります。

薬理学を勉強されている方のために、全範囲を網羅できていないのですが、現場でよく用いられたり、テストに出やすい薬の作用機序を暗記カードにしてみました。

隙間時間にちょこちょこ解くと記憶に定着していきますよ。

手順

① Quizletというアプリをダウンロード(無料!)
② 検索の虫眼鏡マークをタップ
③「薬理学 勉強」と検索
④ 検索で出てきた中の1番上をタップ
⑤「テスト」を押して、「テストを開始」を押す

「Quizlet」アプリ画面より引用

やり方がわからなければお気軽にお問い合わせください。

勉強のコツ5〜覚えにくい薬はググる!〜

ポケモンとかなら、「このポケモンはタイプが●で、レベル△で□に進化して、@って技を覚えて〜」とスラスラ言えるのに、なぜ薬の名前と作用機序、副作用は覚えられないのでしょうか?

それは興味がないからです。

そんな時には覚えられない薬の名前をグーグル先生で検索して、どんなオリジナリティを持って発売されたのか調べてみると、「これこの疾患と同じ機序なんだ!へー」と新しい発見があって興味が湧いてくるかもしれません。

これで少しでも薬理学に苦手意識を持たない医師やパラメディカルの方々が増えてくだされば幸いです。

薬理のお勧め参考書1 〜青本〜

最初からテキストで覚えていくのは面白くないし、やる気も続きませんよね。

そこで青本と呼ばれる、薬剤師国家試験対策本です。

まず問題を解いてみて、薬についてどんなことが問われているのか確認し、その後に重要ポイントがまとまっているテキストで効率的に学んでいきましょう。

問題集→わからなかったとこだけテキスト参照→問題集→ループ

問題集

テスト範囲のとこだけやってもOKです!

何がポイントなのか、どこを覚えればいいのか、自分の理解度はどうなのかを確認させてくれます。

何より薄いのでやる気が削がれません。小さくて持ち運べますし赤シートで隠せますので効率がいいです。そして安いです。

 

テキスト

めちゃくちゃポイントが凝縮されてます!

「薬がみえる」は4冊それぞれが分厚いのに対して、こちらは全分野が1冊にまとまっているのが最大のメリットで、持ち運べるしやる気も持続します。

まとまっているためにそれぞれの詳細な機序についてはわかりやすいイラストが少ないです。

これを補うためにも、電子版「薬がみえる」を併用しましょう。

 

薬理学のおすすめ参考書2 〜薬がみえる〜

図だけでなく解説も充実している、「薬がみえる」という素晴らしくわかりやすい参考書があります。

生化学や生理学、解剖学や病理学、微生物学を横断して、しかもそれぞれの分野から疾患に関係する重要なポイントを抽出してくれています。

こんなにわかりやすくリーズナブルな価格で提供しているものは見たことがありませんでした。この薬の商品名なんだったっけとなっても、掲載してくれているので調べる手間も省けます。

タンドスピロンの作用機序を成書にあたってもわかりにくかったためわざわざPubmedで論文を引いてまで調べたんですが、その内容もしっかり記載されてました。実にアカデミック!

メディックメディアのmediLinkというサイトから、アプリと書籍セットを買えます。

アプリ版では添付文書やインタビューフォーム、錠剤の画像へのリンクが貼られているため、利便性がめっちゃ高いです!働きだした時のことを考えるとマストバイ!

Amazonのサイトで、実際のページを確認できます。

薬学生や薬剤師の方は当然のこと、医師や医学生、医療系学生にもおすすめできる良書です。

一度見てみてください!百聞は一見に如かず!

薬がみえる vol.1
薬がみえる vol.2
薬がみえる vol.3
薬がみえる vol.4

ただ1冊1冊が分厚く、現在4冊もあるので本で勉強しようとするとかさばってしまい持ち運びに不便で、通読しにくいのが難点です。

なので電子版+青本がオススメ!

青本で問題を見て→解けない→その領域の「薬がみえる」を読む

これを繰り返していくと国家試験で出題される重要なポイントを全領域でおさえられます。

薬理学をマスターすれば何ができるのか

薬理学をマスターすると大抵の薬剤の作用機序が頭に入った状態になります。

高齢者では多剤併用が多くなりますが、上述のように病態生理も合わせて勉強しておくと、今どんな病態でどの薬が問題を引き起こしているのか考えられるようになります。

第111回医師国家試験 D 問46 より引用

83歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。 2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。

意識レベルは JCSⅠ-2。血圧 126/62 mmHg。尿所見:蛋白(ー)、潜血(ー)。血液所見:赤血球 302 万、Hb 9.7 g/dL、Ht 30 %、白血球 5,700、血小板14万。血液生化学所見:総蛋白 6.3 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、AST 11 U/L、ALT 16 U/L、CK 97 U/L(基準 30〜140)、尿素窒素 28 mg/dL、クレアチニン 2.8 mg/dL、LDL コレステロール 120 mg/dL、Na 134 mEq/L、 K 4.5 mEq/L、Cl 100 mEq/L、Ca 12.5 mg/dL、P 3.1 mg/dL、Mg 2.5 mg/dL(基準 1.8〜2.5)。

この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。

a アスピリン
b 活性型ビタミンD
c カルシウム拮抗薬
d 酸化マグネシウム
e スタチン<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>

回答はb。記事が長くなってしまったので別記事に。

 


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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