薬剤師医学生が考える 咳止め薬の選び方

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呼吸器

同級生が風邪の症状で困っていて、私にドラッグストアの薬でどれがいいか尋ねてくれました。やはりどれを選んだらいいかわかりにくいですよね。

薬剤師の時にも書籍を基に独学していましたが、今は呼吸器も終わって知識がアップグレードされたので、記事にまとめてみたいと思います。

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咳止めはあくまで対症療法

まず最初に把握していてもらいたいのは、咳止めはあくまでも症状を抑えるだけということです。

「咳」は気道の痰や細菌やウイルス、異物を排出するための正常な防御機構です。それを抑えるということは疾患を長引かせる可能性があるということを肝に命じてください。

とは言っても咳は1回で2kcal消費し、体力を消耗します。仕事を休めない場合は業務にも差し支えるでしょうし、そういった場合には咳を止めるのが良いと私は思います。

!この時は病院に行ってください!

◆咳が3週間以上続いている

◆熱が38℃以上

◆黄色や緑色の粘っこい痰が出る(慢性副鼻腔炎の人は除く)

 

呼吸器の講義で習ったのですが、咳が続いている期間で急性や慢性に分類されます。

咳が続くのが3週間未満→急性咳嗽

咳が続くのが3〜8週間→遷延性咳嗽

咳が続くのが8週間以上→慢性咳嗽

なんでこのような分類が必要かというと、その期間でおおよそ原因が異なるためです。

3週間未満の咳では感染症による咳が多く、なかでもウイルス感染である風邪症候群が圧倒的に多いです。この場合はドラッグストアなどの薬で様子をみることができます。

3週間以上持続している咳ではアレルギー性や結核や肺癌などの可能性が捨てきれないので一度病院で検査を受けることをお勧めします。

また、熱が38℃以上、黄色・緑色の粘っこい痰が出る場合は肺炎やインフルエンザの可能性を捨てきれないのでこの場合も受診してください。

症状別

ここからは症状別にお勧めの成分を記載していますが、商品名を書くと誘導になってしまうので成分名のみ記載しております。ご了承ください。

咳がつらすぎる

咳止めの薬には強さがあります。

ジヒドロコデイン>コデイン>デキストロメトルファン>チペピジン

上位2つは強すぎるので、「明日のプレゼンだけ乗り切れればいいから咳を止めて欲しい」という風にごく短期間なら使ってよいと考えてください。便秘などの副作用や他の疾患の症状を隠してしまう可能性もあるので個人的にはデキストロメトルファンで十分だと思います。

痰の症状が強い

痰が絡んでつらい場合は、痰を排出するために咳反射が起こっていると考えられるので去痰薬が適しています。

痰の量が多いならカルボシステイン、粘りが強い時にはブロムヘキシンが適しています。それぞれの症状に合った成分を含む製品をお勧めします。

水っぽい鼻水・くしゃみ

花粉症などのアレルギーが考えられます。そのため抗ヒスタミン薬が適しています。

抗ヒスタミン薬には効き目が強いが眠気も強いもの、効き目がそこそこだが眠気は来にくい2パターンあります。

夜だけ飲むなら眠気はむしろありがたいので効き目・眠気ともに強いジフェンヒドラミンを含む製品などがお勧めです。

日中も飲む必要がある場合は眠気はきてほしくないのでフェキソフェナジンを含む製品などがお勧めです。

胸焼け

咳の他に胸やけや胸のつかえた感じがする場合には逆流性食道炎の可能性が考えられるので、ファモチジンなどのH2ブロッカーを含む製品が適していると思われます。3日使って改善がなければ病院を受診してください。

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