ループ系とチアジド(サイアザイド)系利尿薬の違い

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作用機序
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日常業務でよく目にするループ系とチアジド(サイアザイド)系。どんな性質の違い、どんな使い分けがあるのかまとめてみました。

ちなみに、薬学部ではチアジドで習いましたが、医学部ではサイアザイドで習いました。

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尿細管の各部位でのナトリウム再吸収の割合

近位尿細管     :約70%
ヘンレ係蹄(ループ):約20〜30%
遠位尿細管     :約5〜10%
集合管       :2~3%

とされています。水はNa+とほぼ同じ動きをします。

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Adalat.jpより引用       

ループ系利尿薬

強い利尿作用

ヘンレループ上行脚のNa+/K+/2Cl-共輸送体に働くループは、高度にNa再吸収を抑制(最大で約25%)し、強い利尿作用を持ちます。

フロセミド(商品名ラシックス)は、その商品名の由来、Lasting for six hoursの通り、6時間ほどしか効果時間がないため降圧薬としては不向きです。心不全の前負荷軽減や、浮腫などの改善に用いられます。

 

Kが低下しやすい

ループ上行脚でNa+/K+/2Cl-共輸送体を阻害すると、そもそもNa+とK+の排泄が増加します(ループに特異的)。

それに加えて、再吸収を阻害されて尿細管中に増加したNa+が、集合管の上皮細胞のNa+チャネルを通じて再吸収され、電位を維持するためにK+が代わりに排泄されるため、低カリウムとなりやすいという特徴があります(ここはチアジドも共通)。

腎機能低下例でも使いやすい

ループ系は利尿作用が強いため代償的にプロスタグランジン産生を促進し腎血流維持に働くため、腎機能低下例でも作用を発揮できます。

継続投与するとNaの再吸収をしようとして、チアジドの作用部位であるNa+ /Cl-共輸送体の発現が上昇してきます。それにより薬効が低下してくるため、その際にはチアジド系の併用が望ましいとされています。

チアジド(サイアザイド)系利尿薬

弱い利尿作用

遠位尿細管のNa+/Cl-共輸送体に働くチアジドは、Na+再吸収を抑制します。

しかし、遠位尿細管からの再吸収は寄与率が低いため(約7~10%)、利尿作用は弱いです。ループと違って作用時間は長いため、降圧薬として用いられます。

Naが低下しやすい

作用部位(遠位尿細管)より後ろではNa+再吸収の割合が低いため、チアジドによるNa+排泄亢進の代償が働きにくいという特徴があります。

高度腎機能低下例では無効

ループ系と違って、プロスタグランジン産生には関与せず、循環血漿量を低下させるため腎機能低下を引き起こします。

また、高度腎機能低下(eGFR:30 mL/min以下)では薬剤が作用部位まで到達しにくいことと、そもそもNa+の排泄自体が低下していることから効果が出にくく使いにくいです。

骨粗鬆症患者に使いやすい

遠位尿細管のNa再吸収を阻害することで、血管側に存在するNa+/Ca2+交換系を促進し、Ca2+の再吸収を亢進するため、骨粗鬆症患者に適しています。

少量で用いる

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厚生労働省 第1回降圧利尿薬に関する検討会 資料より引用

用量依存的に降圧効果は上昇していきますが(赤線)、その傾きは小さく、通常用量以上では、副作用発現頻度の上昇の傾きが上回ります(白線)。高用量では低カリウム血症が出現しやすいようです。

利尿薬が血糖異常を引き起こすメカニズム

利尿薬により引き起こされた低カリウム血症では、インスリン 作用不足と分泌不足により高血糖となりやすいです。

そのため少量で用いられるのが主流となっています(K+貯留傾向のあるARBとタッグを組みやすく、少量の配合剤が販売されてます)。

まとめ

ループ系サイアザイド系
主な用途浮腫改善降圧薬
腎機能低下例適する適さない
Ca再吸収作用
(骨粗鬆症へ)
なし→適さないあり→適する
これらの違いが疾患にも反映されてます。
Bartter症候群とGitelman症候群の違いや覚え方、ゴロ

以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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