一般的に、心停止やショック時にはアドレナリンやノルアドレナリンがよく用いられます。一方で、イソプレナリンはそんなに名前を聞く機会が少ない印象があります。調べてみるとイソプレナリンは凄い能力を持っていました。
洞不全症候群にイソプレナリンを用いる理由
洞不全症候群は高度な洞徐脈や洞房ブロック、洞停止を呈する症候群ですが、心拍数を上げたいのならβ1受容体刺激作用のあるドパミンやドブタミンでもいいような気がしますよね。
ドパミンやドブタミンが作用するのは、心筋のβ1受容体です。
β1受容体刺激→Gsタンパク活性化→アデニル酸シクラーゼ活性化→cAMP増加→PKA活性化→筋小胞体からCa動員→心筋収縮力増強
となります。
一方で、イソプレナリンは洞房結節のβ1受容体に作用します。
洞房結節の機能を亢進して、房室伝導を促進させます。そのため洞調律に回復させる作用を持ちます。
よく循環器で耳にする「電気的」「メカニカル」というのは、「電気的」=洞房結節に作用。そして「メカニカル」=心筋に作用ということだと思います。
イソプレナリンは主に徐脈時に使う薬剤という印象があります。
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