病理学の勉強の仕方 オススメの教科書

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低学年の鬼門の1つである病理学ですが、どう勉強していったらいいか迷いますよね?私は迷いました。そこでオススメの教科書などをご紹介したいと思います。

 

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病理学を学ぶ意義

病理学を勉強するモチベーションが下がっている人たちへ。

病理学は疾患の原因を追求し、疾患の際にどのような組織変化が起こるのかを研究する学問です。

病理学をしっかりおさえておくと、分子生物学や生化学、生理学、免疫学、微生物学の総復習、知識の定着に役立つだけでなく、臨床科目の勉強がものすごく捗ります!

 

オススメの教科書

お待たせしました。本題に入ります。

段階的に進んでいってください。

勉強する意義がイマイチわからない人やモチベーションが湧かない人へ

早速教科書ではありませんが、凄く面白いです。

医療系漫画の中でも病理医を取り上げたものがこちらだけです。病理医がどんなことをしていて、どんなに重要な役割を担っているのかを教えてくれます。そして何気に疾患の勉強にもなるという一石二鳥です。(この漫画を読んでいる時は「勉強している」と言い張っています。)

 

まずはこれ!病理学総論を学ぶ!

全ページカラーで見やすい!リーズナブル!文章が平易でわかりやすい!

正常組織との比較をしてくれているので、正常の復習にもなります!病理学の面白さを伝えようという著者の熱意が伝わってくる本です。

病理学総論はこれがあると理解が捗ること間違いなしです。フラジャイルとこの本で興味を持った上で、教科書に移行します。

次は総論をアカデミックに学ぶ

言わずと知れたロビンス。高いし分厚いという苦情があるかもしれませんが、中古で買えばいいと思います。

全部を通読する必要はありません。授業で講師が言った絶対押さえておくべきポイントをこの本で深めればいいだけです。ロングセラーだけあって大変わかりやすく一読の価値があります!

 

実習に用いるアトラスを買う

まーた高いものを紹介しやがってと思うかもしれませんが、これも私はヤフオクで1000円で購入しました。

疾患が見開き2ページにまとまっているので勉強しやすいです。病理医の友人もオススメしていました。

 

勉強方法①〜他の科目と絡めて進めていく〜

勉強の効率に関する記事はこちらになります。
効率の良い勉強法

上述した通り、病理学は生理学や生化学などの基礎医学や、臨床医学と密接にリンクしています。他の科目の知識を使って理解していくと、強固な記憶として頭に残りやすくなります。

例えば、細胞内蓄積の脂肪蓄積(脂肪変性)では脂肪肝が教科書で挙げられています。

標準病理学 第4版より引用

図は非アルコール性脂肪性肝炎の組織像ですが、中性脂肪(トリグリセリド)が蓄積して脂肪滴を形成しています。

脂肪肝の原因の1つとして糖尿病があります。

 

<生化学>の復習

トリグリセリドはLPL(リポタンパクリパーゼ)によってグリセロールと遊離脂肪酸に分解される。LPLはインスリンによって活性化される。

<生理学>の復習

インスリンによって脂肪組織でのトリグリセリド合成促進・分解抑制

臨床での<糖尿病>

糖尿病は、血糖値に対してインスリンの絶対的不足(1型)と相対的不足(2型)による高血糖をきたす症候群。

 

これらをリンクさせると、

インスリンの作用不足のある糖尿病では、脂肪組織でトリグリセリドの分解が亢進して遊離脂肪酸が肝臓へ大量に流入します。

また、LPLの活性が低下するためトリグリセリドを分解できず血中にVLDL滞留=材料のアポBタンパクが戻ってこないため肝臓から新たにVLDL分泌できなくなり肝臓にトリグリセリドが蓄積します。→脂肪肝

さらに、右の組織像ではアザン染色で肝細胞の周囲に線維化が認められます。慢性炎症により破壊と再生を繰り返しているため線維化が進行し、放置すると肝硬変、延いては肝癌へと進行していきます。

このように、生理学や生化学、組織学などの基礎医学の復習になると同時に、合併症や予後など臨床科目の理解が捗りますので、病理学は低学年のうちにしっかりおさえておくとお得です。

勉強方法②〜基礎的な知識を繋げていく〜

肺癌の1つである扁平上皮癌。これは肺門部に多く、喫煙者に多く発生します。

どこに発生するか、そしてどんな人に多いかという知識は暗記ではありません。基礎医学の知識があれば導けるので覚える必要もありません。

そもそも肺には扁平上皮はありませんよね。円柱上皮と立方上皮でした(組織学)。

喫煙によって気管支の円柱上皮が扁平上皮化生を起こします(病理)。また、タバコの煙が到達しやすいのは末梢の気管支よりも中枢、つまり肺門部の気管支ですね。

化生は癌の発生母地になりやすいので扁平上皮癌になりえます。

他にも、扁平上皮というくらいなので、放射線に弱い、つまり放射線療法が効きやすいということになります。これで好発部位から治療まで導くことができました。病理って凄い!

勉強のやり方

問題形式にしないと何がわかっていて何がわかっていないのかさえ私たちは自覚することができません。

やる順番としては、

①過去問(自分の理解度、つまりヤバさを感じる)
②組織学の復習(組織像を見てこれは大腸だとかの上皮の見分けや血球の見分け)
③上のアトラスでその病理像を覚える(パターン認識)

 

まず過去問をやって解けないことでヤバさを認識して勉強のやる気を上げます(笑

そして組織学が終わってから時間が経って忘れているので復習がてらやっていきしょう。画像問題も出ると思うので、腫瘍なら篩状やロゼット、柵状、索状などのパターンをおさえておきましょう。必ずのちのちの臨床で役立ちます!

同じく、基礎医学と臨床医学を繋ぐ科目である薬理学との親和性が高いです。
繋げて勉強しましょう。薬理学の勉強法とオススメ教科書〜薬がみえるを用いて〜

 

 

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