ワルファリンとヘパリンの違いについてまとめてみました!
ヘパリン製剤には、未分画、低分子、合成の3つがありますが、単にヘパリンといえば未分画を指します。
一覧表
ワルファリン | ヘパリン | |
---|---|---|
作用機序 | ビタミンKに拮抗し、ビタミンK依存性凝固因子の産生を低下 | アンチトロンビンを活性化し、トロンビンとⅩaの作用を阻害 |
投与経路 | 経口 | 静脈・皮下注射 |
半減期 | 約40時間 | 約1時間 |
持続時間 | 4〜5日 | 1時間 |
適応 | ・人工弁置換後 ・心房細動 |
・体外循環装置使用時 ・DIC |
妊婦 | 禁忌 | 可能 |
指標 | PT-INR | APTT |
拮抗薬 | ビタミンK 人プロトロンビン複合体 |
硫酸プロタミン |
人プロトロンビン複合体:ビタミンK依存性凝固因子(Ⅱ、Ⅸ、Ⅶ、Ⅹ、プロテインC・S)
ヘパリンについて
違いを解説していきます。
ヘパリンは半減期、作用時間が共に短く、手術前まで投与していてもすぐに効果が切れて手術時には出血傾向をきたさないのが利点です。透析や人工心肺の凝固予防にも用いられます。
生体内に存在するヘパラン硫酸の1種であり、分子量がおよそ12000の高分子なので胎盤を通過しません。よって妊婦に投与可能です。
ヘパリンは負の電荷を持っているので、正電荷を持つ硫酸プロタミンでイオン結合して作用をブロックできます。
なぜAPTTがヘパリンの指標なのか
https://csl-info.com/products/anthrobin/attribute/より引用
アンチトロンビンの作用部位はトロンビンのみならずⅦa、Ⅻa、Ⅺa、Ⅸa、Ⅹaと多岐にわたります。阻害するのが内因系のものが多いことからAPTT優位に延長していくのだと思われます。
ワルファリンもヘパリンも大量に使えばPT、APTTともに延長します。論点は、投与量をコントロールするのに鋭敏な指標は何かということですので、より早く数値に反映されるものが採用されています。
理解度をチェック
Q.ワルファリンはDICに用いられる?
Q.ワルファリンの大手術前の休薬期間は?
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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