本当に使える症候学の話をしよう とことんわかる病態のクリニカルロジック レビュー

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おすすめ書籍

症候学は範囲が全身だしなんとなく苦手意識があったりしませんか?

私も何か良い本はないかなと思って探してたんですが、去年見つけました!

分かりやすくてもの凄くオススメです!

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探してたどり着いた経緯

疾患の知識も付いてきて、医師国家試験の過去問を解いていると、キーワード依存になっていることにふと気付きました。『COPD』+『在宅酸素療法』+『酸素量を上げた』→『CO2ナルコーシス』という風に。

決して悪い解き方ではないと思うのですが、こんな風にピンポイントでこの疾患!みたいにあたりをつけすぎてしまうと、実際の現場でもし違った時に次の検査はどうしようか考えられないのではないかと危機感も抱いていました。

この症候を呈するのはAとBとCがあって…というように鑑別疾患を挙げられた方が網羅的で抜けがないし、次にどうしようか考えられるようになると考えて、症候学を勉強しようと思い至りました。

Amazonで「症候学」で検索すると、高評価のこちらの本に出会いました。

本当に使える症候学の話をしよう とことんわかる病態のクリニカルロジック

会話形式で進行して読みやすい

上のリンクからAmazonで試し読みできますが、簡単に説明すると、登場するのは研修医と指導医、看護師、薬剤師です。

薬剤師が登場するのは珍しいなと思って出版社を見たら、私が薬剤師時代にいろんな本を買っていたじほうさんでした。本当に良い本をたくさん出している会社です。

指導医との会話形式で進行するので読みやすく、また他の職種はどのような観点から発言しているのか学ぶこともできます。

本の中の薬剤師さんの発言を読んで、数年前の自分も同じことを言いそうだと納得しながら読み進めました笑。今の自分の思考が本の中の研修医さんと似ていたことで自分の成長を感じられました。

読みやすいですが、その分少し文章が長くなっているため本が厚めになっています。ですが、ポイントは囲んで強調されているので、復習に読み直したときにも見やすいです。

目次

第1章 腹痛編
1 腹痛のタイプによって病態を見分ける
2 痛みの病歴聴取とOPQRSTの質を高める
3 危ない腹痛を見極める、誰でもできる腹痛フィジカル
第2章 頭痛編
4 危ない頭痛の共通点と聴き出し方を学ぶ
5 病態生理から見抜くよくある頭痛の特徴
第3章 意識障害編
6 明日からできる意識障害はじめの10秒
7 ワンランク上のAIUEOTIPS使いこなし術
補講 迅速に対応すべき疾患の代表格『敗血症』
第4章 浮腫編
8 むくみの基本と病態生理をトコトン学ぶ
9 Commonな原因による浮腫を病態生理から見抜く
第5章 胸痛編
10 絶対見逃したくない胸痛のOPQRST
11 心電図正常のACSを見抜くための胸痛レッスン
第6章 初心に戻って考える編
12 関節痛ってホントに悪ですか?
13 腹痛ってホントに悪ですか?
第7章 めまい編
14 眼振所見が教えてくれる耳石のキモチ
15 最も多いめまいBPPVの“病態生理”がまるわかり!
16 絶対に帰してはいけないめまい
第8章 関節痛編
17 診断に結びつく病歴聴取の秘訣は“炎症”と“P”にあり
18 免疫システムから迫る関節痛の鑑別、病歴の違い
19 結晶性関節炎と感染症による関節痛の特徴をつかむ
第9章 発熱編
20 不明熱は本当に不明? 発熱+αを探すようにしよう!
21 敗血症とSIRSの病態から学ぶ発熱+αの探し方
22 不明熱+αの症状が出やすい病態とそうでない病態の捉え方
23 病原体の特徴から迫る不明熱になりやすい感染症
第10章 心不全編
24 病態生理から心不全を定義する
25 体液量のモニター係、腎臓の病態から心不全を定義する

メジャーな症候が取り上げられています。

問診と身体所見から診断に至る臨床推論がメインです。そのため臨床現場のみならずPost-CC OSCE対策にも繋がってきます。

基礎医学との繋がり・オーバービュー

私は薬剤師として臨床現場に出て、そこから医学部へ入り直して基礎医学を学んだので、基礎と臨床の繋がりの重要性は痛いほどわかります。

この本は解剖学・組織学・生理学・免疫学・細菌学などの基礎医学の知識をベースに症候を説明してくれているので、基礎医学の復習にもなりました。

実用性が高い!

これを読んでくださっている方はBPPVのめまいのメカニズムは説明できますか?できないならこの本を読むとメカニズムが理解できるだけでなく、診察時にDix-Hallpike試験も実施できるようになります!

比較的徐脈を呈しやすい細菌はどんな細菌かについての説明はめちゃくちゃ目から鱗でした!こんな風に共通項を見つけ出して疾患をオーバービューしてくれているので医師国家試験の勉強にもなりました。

痛みの問診で用いられる「OPQRST」もただ覚えるだけでなく、どれを意識して聴取すべきなのかも解説されていて、非常に実用的でした。

 

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