ガザイバ®(オピヌツズマブ)の作用機序

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作用機序

中外製薬のオピヌツズマブ(商品名ガザイバ®)が平成30年の7月2日に承認されました。CD20陽性の濾胞性リンパ腫に適応を持っています。

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そもそも濾胞性リンパ腫って?

リンパ球のがんである悪性リンパ腫の1つで、約20%を占めています。

60歳代に多く、緩徐に進行し、「低悪性度」に分類されます。

リンパ節が腫れるほかは自覚症状は少ないです。病理では腫瘍性濾胞が見られます。

CD20ってなんだっけ?

濾胞性リンパ腫は上記のとおりリンパ球の疾患で、B細胞に由来します。

B細胞の表面抗原がCD20です。

従来の治療は何が使われていた?

腫瘍が多いものの、広がっておらず限局している例では主に放射線療法。

進行例では化学療法+分子標的薬が用いられています。

R-CHOP療法、R-CVP療法、BR療法が用いられていました。

R:リツキシマブ
C:シクロホスファミド
H:ヒドロキシダウノルビシン(ドキソルビシン)
OまたはV:商品名オンコビン®(ビンクリスチン)
P:プレドニゾロンまたはメチルプレドニゾロン
B:ベンダムスチン

 

商品名や一般名が混合した略語はわかりにくいですよね。

オピヌツズマブ(ガザイバ®)の作用機序

オピヌツズマブという名前の通り、腫瘍に対するヒト化モノクローナル抗体です。

名前から作用を知るには↓の記事が参考になります。
分子標的薬の命名法と覚え方

ガザイバ®  中外製薬より引用

オビヌツズマブは、Fc領域を改変したタイプ2のヒト化抗CD20モノクローナル抗体です。

オビヌツズマブは既存のリツキシマブと同様に、ヒトCD20に結合して抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性抗体依存性細胞貧食(ADCP)活性を発揮して抗腫瘍作用を示します。上図の左がADCP、右がADCCを表しています。

既存のタイプ1に分類されるリツキシマブと異なり、タイプ2であるオピヌツズマブは補体依存性細胞傷害(CDC)活性は低いものの、直接的な細胞死の誘導活性は高いという特徴があります。

 

副作用

未治療のCD20陽性低悪性度非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅲ相ランダム化比較試験において、日本人65例を含む595例のうち、565例(95.0%)に副作用が認められています。

承認時の主な副作用は、

・infusion reaction(59. 0%)→ヒト化抗体であるため
・好中球減少(45. 5%)
・悪心(43. 0%)
・感染症(37. 0%)
・疲労(26. 9%)
・発熱(25. 5%)

用法・用量

通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として 1 日 1 回1000mgを点滴静注する。

導入療法は、以下のサイクル期間及 び投与サイクル数とし、1 サイクル目は 1 、 8 、15日目、 2 サイクル目以降は 1 日目に投与する。

維持療法では、単独投与により 2 カ月に 1 回、最長 2 年間、投与を繰り返す。

○シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合 3 週間を 1 サイクルとし、 8 サイクル

○シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合 3 週間を 1 サイクルとし、 8 サイクル

○ベンダムスチン塩酸塩併用の場合 4 週間を 1 サイクルとし、 6 サイクル

ガザイバ®添付文書より引用

従来の治療とも組み合わせて用いられますが、副作用頻度が高いので要注意です。

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