Bartter症候群とGitelman症候群の違いや覚え方、ゴロ

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腎臓

内分泌代謝でも腎臓の講義でも登場するBartter症候群とGitelman症候群。どちらがどの尿細管に異常があるかスラスラと出てきますか?私は出てこなかったので薬理学と絡めて復習して、覚えやすいようにゴロを作りました。

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Bartter症候群

常染色体劣性遺伝。

へンレループ上行脚Na-K-Cl共輸送体の遺伝子異常。

小児期発症が多い。

Gitelman症候群

常染色体劣性遺伝

遠位尿細管Na-Cl共輸送体の遺伝子異常。

成人発症が多い。

低Mg血症、高Ca血症となりやすい。

これらを覚えるためのゴロ

お待たせしました。いよいよゴロです。

「変なバタ子を演じてる」
変な:Henleループ
バタ子:Bartter症候群
演:遠位尿細管
じてる:Gitelman症候群
発症時期については、
Bartter→Baby→小児発症
Gitelman→Gentleman→成人発症

薬の視点から考える

上記のゴロの通り、病変の主座は

Barttter症候群:ヘンレループ
Gitelman症候群:遠位尿細管

一方、利尿薬の作用部位は

ループ系利尿薬:ヘンレループ
チアジド系利尿薬:遠位尿細管

そのためBartter症候群とGitelman症候群はそれぞれループ系利尿薬、チアジド系利尿薬の作用部位が機能障害を起こしており、結局それぞれの利尿薬が作用しすぎたと考えれば理解しやすいです。

<共通点>

どちらの症候群でも利尿作用により循環血液量の減少→代償的にレニンアンジオテンシンーアルドステロン系が亢進(続発性アルドステロン症)→低カリウム血症→Hも低下して代謝性アルカローシスとなります。

また、これらの病態は、利尿薬が作用しているのと同じなので、Naの再吸収低下=水も再吸収低下→循環血漿量低下→レニンアンジオテンシン・アルドステロン系亢進という続発性アルドステロン症を呈します。利尿薬を使っている状態と考えれば、高血圧を呈しにくいというのも理解しやすいかと思います。

<相違点>

ループ系とチアジド系利尿薬の違いについては

上の記事でも書いていますが、ループ系利尿薬は尿細管でのプロスタグランジン産生を上昇させます。プロスタグランジンは血管拡張により腎血流量の保持、またNa再吸収の抑制に働いています。そのため、チアジド系よりも利尿作用が得られやすく、循環血液量減少→RAA系亢進に傾きやすくなっています。だからこそPG産生を抑制するためのインドメタシン(NSAIDs)が治療薬に含まれています。

チアジド系利尿薬はNa-K-Cl 共輸送体を阻害することで、細胞内へNaを入れようと血管側のNa-Ca交換体が活性化し、血管へCaが運ばれ、結果としてCa再吸収が亢進します。Na-K-Cl 共輸送体はMg再吸収チャネルと連動しているため、それを阻害することでMg再吸収が低下します。

そのためチアジド系利尿薬の作用部位が障害されているGitelman症候群でも同様に高カルシウム血症低マグネシウム血症が現れます。

国家試験問題で理解度をチェック!

医師国家試験 100B58
Bartter症候群とGitelman症候群とに共通にみられるのはどれか。
 高血圧
 高カリウム血症
 代謝性アシドーシス
 低マグネシウム血症
 高アルドステロン血症
正解・解説はこちら
正解はeです。

a 上述の通り、どちらも利尿薬が効いている状態なので高血圧は呈しにくいです。

b・c 続発性アルドステロン症のため低カリウム→代謝性アルカローシスとなります。

d 低Mg血症となるのはチアジド系利尿薬の副作用なのでGitelman症候群でみられやすいです。


以上となります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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