部分アゴニストとは?エビリファイ®(アリピプラゾール)の作用機序

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作用機序
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薬理学を勉強していく中で、少しわかりにくいところかもしれません。図を使ってわかりやすく説明したいと思います。

 

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部分アゴニストとは?

 

そもそも、受容体に結合して生体の反応を100%引き出す物質を完全アゴニストといいます。

部分アゴニストとは、受容体に結合するものの、完全アゴニストよりも弱い反応を引き起こす物質を指します。

完全アゴニストと同じ受容体に結合するため、椅子取りゲームのように受容体を取り合います。そのため、完全アゴニストに対してアンタゴニスト作用を示します。

上記の通り、部分(パーシャル)アゴニスト単独でも弱い反応を引き起こすことができますので競合相手がいないならアゴニストとして作用します。上の図では50%ほどの反応を引き起こしています。

例えるならば「めちゃくちゃ空気を読める人」ですかね。

グループ学習の際、真面目にやろうとしない学生(アンタゴニスト)に対しては抑制しますが、誰も司会進行しないようなら自分が率先してやる…ような人です。

 

エビリファイ®(アリピプラゾール)の作用機序

抽象的な言葉で説明したので、イメージしにくいかと思いますので、具体例としてエビリファイ®を挙げたいと思います。

エビリファイ®(アリピプラゾール)は、主に統合失調症に用いられる薬で、ドパミン受容体に対するパーシャルアゴニストです。

 

統合失調症の病態では、中脳辺縁系のドパミン濃度が高い状態にあります。パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールは、完全アゴニストであるドパミンに対してアンタゴニスト作用を示します。

一方、黒質線条体系はドパミン濃度が低く、この部位の受容体をブロックしてしまうと、錐体外路症状、つまり副作用が発現しやすくなります。

パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールは、ドパミンが少ない状況ではアゴニストとして振る舞うので、錐体外路症状の副作用の発現率が低いです。

このように、状況に応じてアゴニストにも、アンタゴニストにもなりうる便利な薬剤が部分(パーシャル)アゴニストです。

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