皮膚科は形態学に基づいているので言葉の定義がカッチリしてますよね。
臨床実習の時に「先生、○○さんに湿疹が出てます!」と報告すると、「え?どう判断したの?」と聞き返された経験はありませんか?
実は湿疹を判断するのは皮膚科医の先生なので、この報告の仕方はNGなのです。
発疹と湿疹は何が違うのか?
なるべくイメージしやすいように専門用語を言い換えてみました。
発疹
皮膚か粘膜にできている見た目上の変化すべてを指します。
湿疹
皮膚炎と同義。痒みのある丘疹の集まり(丘疹:直径10mm以下の盛り上がり)
以上の定義のように、湿疹は発疹に含まれています。指導医など上の先生に報告するときには「発疹が出てます」と伝えれば間違いはなさそうです。
発疹の分類
発疹は、健康な皮膚に一次的に現れる原発疹と、他の発疹から二次的に現れる続発疹に大きく分けられます。
原発疹
・色が変わってるもの→○○斑(紅斑、紫斑、白斑、色素斑)
・隆起してるもの→丘疹、結節、腫瘤
・中身が入ってるもの→水疱、膿疱
・真皮の病変→嚢腫、膨疹
続発疹
・表皮がなくなる→表皮剥離、びらん、潰瘍
・角質が付着したり蓄積するもの→鱗屑、痂皮(かさぶた)、胼胝(べんちと読む、いわゆるたこ)
・欠損が肉芽組織で修復されたもの→瘢痕
・皮膚が薄くなるもの→萎縮
・亀裂(ひび割れ)
これは医療関係者でなくても日常的に出会っていたりします。例えば
「やけどした部分が水ぶくれになって、破れて下の皮膚が見える」。
原発疹の「水疱」→続発疹の「びらん」という流れになってます。
湿疹三角とは?
湿疹は原因物質が明らかなものと、不明なものに分けられます。ほとんどが原因物質が不明なもの。
明らかなものは少ないので覚えやすいです。→接触皮膚炎(いわゆるかぶれ)、手湿疹(手荒れ)、おむつ皮膚炎
湿疹のほとんどが原因物質が不明なものなので、まだ漠然としています。なのでそれを発症からの時間で分けます。
・発症後数日くらいでジュクジュクしている急性湿疹
・1週間以上経って分厚くなってきている慢性湿疹。
あたらしい皮膚科学 第2版より引用
湿疹三角とは、急性湿疹がどのように変化していくかを形態でまとめて図にしたものです。
このままでは覚えにくいので、すべて具体的に自分のわかりやすい言葉に言い換えることをおすすめします。
どの分野でも言い換えてみるのは理解度をチェックできるのでオススメです!
紅斑→赤み
丘疹→ブツブツ
小水疱→水ぶくれ
膿疱→膿み
湿潤→ジュクジュク
結痂→かさぶた
落屑→ポロポロ
苔癬化→ゴツゴツ硬い皮膚
湿疹三角のゴロ合わせ
高:紅斑
級:丘疹
水:小水疱
農:膿疱
家:結痂
落選:落屑
いかがでしょうか。お力になれれば幸いです。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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