切迫早産の治療薬として用いられるリトドリン。その作用と副作用についてまとめてみました。
これまで産婦人科の門前で働いてましたが、知識が抜けないよう復習の意味で記事にしました。奥さんも張りが出てきたので知識の整理目的もあります。
リトドリンの作用
リトドリンはβ2刺激薬です。
β2刺激の後はGタンパクによって反応が進んでいきます。
この作用により、子宮平滑筋を弛緩させ、切迫早産の治療となるわけですね。
リトドリンの副作用
・振戦
・低K血症
・高血糖
・肺水腫
β2刺激薬ですが、心臓のβ1受容体にも作用してしまい、頻脈(動悸)が出ます。
骨格筋のβ2受容体も刺激することで振戦が起こります。
これらは頻度の高い副作用ですので、事前にしっかり服薬指導しておかないと妊婦さんは不安で飲まなくなってしまう恐れがあります。
耐性がつくためだんだん気にならなくなってきます。
低カリウム血症も起こります。
また、肝臓のβ2受容体を刺激することでグリコーゲン分解が促進し、血糖値が上昇します。
そのため妊娠糖尿病の方には使いにくいです。
そのほか、頻度は低いですが重大な副作用もあります。
肺水腫
機序ははっきりしていませんが、上記のβ1作用により腎でレニン分泌亢進に加え、心臓にも作用することで肺水腫をきたすことが考えられます。
そのため点滴で投与する際には血管内ボリュームを増やさないためにもブドウ糖液に希釈します。
問題で理解度をチェック!
第93回 看護師国家試験より引用
30歳の初産婦。妊娠32週、切迫早産のために入院した。痛みを伴わない3~4分周期の弱い子宮収縮が認められ、子宮口2cm開大であった。塩酸リトドリンの持続点滴静脈内注射が開始され、トイレと洗面以外はベッド上安静である。医師からは、現在の治療を2~3週継続すると説明された。
問題
起こりうる問題はどれか。
a.徐脈
b.膀胱炎
c.便秘
d.筋力低下1. a,b
2. a,d
3. b,c
4. c,d
以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。
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