薬学部と医学部の違いについて記事にしてみました。
気付いたことがあればまた追加していきます。
基礎医学のウエイトが違う!
薬学部の方が基礎医学が濃厚だと感じました。有機化学、物理化学、生化学、分子生物学などなど…。そして薬学部では卒後にそれらの知識を使うことはあまりありません。
薬学部の卒業後の進路はほとんどが病院、薬局、ドラッグストアの薬剤師ですが、少数派は企業などで研究開発者やMR、公務員などであるためです。
医師国家試験では基礎医学はほとんど出題されませんが、薬剤師国家試験では半分くらいは基礎医学の内容です。
臨床系の講義の数が違う
上述したとおり、ほぼ全員が医師となる医学部と違って、薬学部は病院、薬局、ドラッグストア、製薬会社、県庁や府庁の薬務課などの就職先があります。そのためあまり臨床の講義は多くありません。
薬学部で教える先生は基礎系出身の先生が多いので、薬剤師としての勤務経験が無い先生がほとんどです。
振り返ってみると、臨床経験のある先生の講義の方が実体験エピソードを語ってくれるので講義内容が面白くて今でも覚えています。
国家試験で学んだ知識がそのまま医療現場で活きるのは医学部だと思っています。薬学部で有機化学でSN2反応とかの知識があっても、それを医療現場で使うことは私はありませんでした。
私は薬局薬剤師で、卒後に主に使うのは薬理学や薬物動態学、相互作用の知識に偏っていました。
卒論があるかないか
医学部は卒論が無いですが、薬学部は卒論があります。卒論にはデータを出して考察する時間が必要なので、下記の研究室の配属期間も異なってきます。
臨床研究をやっていると、統計にもある程度詳しくなります(編入試験本番で出題された時は思いっきり計算ミスしちゃってましたが笑)。
薬学部で英語論文の検索や読み方、パワポでの発表、質疑応答などのスキルは身に付いたと思います。
研究室配属期間が違う
大学により違うと思いますが、医学部では研究室の配属期間は2か月くらいで、薬学部では3年でした(3年次から配属され6年次まで)。
そのため英語論文を読み慣れてるかどうかが違います。このおかげで学士編入試験でも速く読んで解答を作ることができました。
さらに研究室にもよりますが、コアタイムも異なります。大変なところでは朝9時〜深夜の研究室もありました。私もキツい研究室だったので、その拘束時間の長さに比べると社会人になってからの方が早く帰れて楽でした笑
再受験生の割合が違う
大学にもよるでしょうが、医学部の方が再受験生が多い気がします。そして年齢の幅がけっこう広いです。再受験生が学年全体の1〜2割にのぼります。
私のいた薬学部は再受験の人たちは片手で数えられるくらいでした。
就活が異なる
医学部ではほとんどが病院に就職しますので就活は病院がメインです。研究などに進む医師以外は初期研修が必須で、初期研修プログラムを組んでいる病院と医学生でマッチングを行います。
一方、薬学部は病院、薬局、製薬企業などで就活は企業がメインです。SPIやエントリーシートなど他の学部と同じように対策します。
部室のクオリティが違う
これも大学によるものかもしれません。私は軽音部でドラムをやっていましたが、部室のクオリティが医学部の方が高かったです。
国家試験合格率が違う
医師国家試験合格率は9割、薬剤師国家試験合格率は7割ほどです。
この差の理由としては、薬学部は一時期乱立しており、質の低い薬剤師が多く輩出されるのを防ぐため厚生労働省がボーダーラインを引き上げているためです。
私は99回薬剤師国家試験と116回医師国家試験を受験しましたが、薬剤師国家試験の方が難しく感じました。
医師国家試験は医学の出題で、各科目がリンクしまくるため、1つの知識が他にかなり応用できたこともあるかもしれません。
あとは単純に薬剤師の知識が医師国家試験にかなり役立ったのでしょう。最近の医師国家試験はだんだんと薬の知識についても出題するようになってきています(特に膠原病領域)。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも参考になれば幸いです。
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