抗血小板薬・抗凝固薬の休薬期間のゴロ・まとめ

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医療従事者に必須の知識

抗血栓薬(抗血小板と抗凝固薬)の休薬期間についてまとめてみました。

以下のガイドラインを参照して作成しましたが、あくまでも目安です!

各病院で細かいところが異なっているため各病院の取り決めに従ってください。

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参照したガイドライン

・循環器疾患における抗凝固剤・抗血小板療法に関するガイドライン2009改訂版

・科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010

・抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン2012

・脳卒中治療ガイドライン2015

・心房細動(薬物)ガイドライン2013年改訂版

・科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2010

一覧表

※出血リスクの低い検査・手術では原則的に休薬は不要です(休薬による血栓形成リスクが出血リスクを上回るため)。

以下には出血リスクの高い検査・手術の休薬期間を示しています。

抗血小板薬+その他

一般名商品名術前休薬期間
アスピリンバイアスピリン®7〜14日前
クロピジンパナルジン®7〜14日前
クロピドグレルプラビックス®7〜14日前
プラスグレルエフィエント®14日前
イコサペンタエン酸(EPAエパデール®7〜10日前
ロスタゾプレタール®3日前
イブジラストケタス®3日前
ラゼプコメリアン®2〜3日前
セルゴリンサアミオン®2〜3日前
ピリダモールペルサンチン®1〜2日前
ルポグレラアンプラーグ®1〜2日前
イフェンプロセロクラール®1〜2日前
トラピロコルナール®1〜2日前
ベラプロストドルナー®1日前
リマプロストオパルモン®1日前

「多い!細かい!」と感じてしまわれたかもしれません。

ですが大丈夫です。作用の可逆性、薬剤名から想起できるようになっています!!

それでは早速みていきましょう。

術前休薬が7日以上前の薬剤

”エパちゃん、明日が真っ黒でグレる“

エパ:EPA(エイコサペンタエン酸)。エパデール®のキャラクターのエパチー
明日:アスピリン
真っ黒:「クロ」が付く
グレる:「グレル」が付く

これらの薬剤は不可逆的に作用するため、血小板の寿命(半減期およそ10日)が来るまで作用が持続します。→7〜14日で覚えておいていいと思います。

術前休薬が7日以下の薬剤

ここからはすべて薬剤名からの連想でいけます。

シロスタゾール→「シ」=4、「ー」=「−1」→4−1=3

イブジラスト→「ジ」=2、「ラスト」=続く→2の続き=3

「ジ」とか「ニ」=2

サルポグレラート→「サ」=3、「ー」=「−1」→3−1=2

「プロスト」=プロスタグランジン系→半減期8時間以内→1日しか効果持たない

抗凝固薬

一般名商品名休薬期間
ワルファリンワーファリン ®3〜5日前
アピキサバンエリキュース®1〜2日前
エドキサバンリクシアナ®1〜2日前
ダビガトランプラザキサ®1〜2日前
リバーロキサバンイグザレルト®1〜2日前

これはもうワルファリンだけ覚えれば他はすべてDOACの1〜2日前なので簡単ですね。

ワルファリンの半減期は約40時間(およそ1.6日)と非常に長いため、定常状態に達する(=効果が安定する)までに時間がかかります。一般的に定常状態に達するまでに半減期の4〜5倍の時間がかかるといわれていますので、1.6×4=6.4日程度というので覚えやすいのではないでしょうか。

そして、定常状態から濃度が下がりきるまでにもそれとほぼ同等の時間がかかります。

薬剤師国家試験の過去問で理解度チェック

第103回 薬剤師国家試験 問68 より引用

出血リスクの高い手術を予定されている患者で、手術前7日もしくはそれ以前からの休薬を提案すべきものはどれか。1つ選べ。

1 アスピリン
2 アトルバスタチン
3 エナラプリル
4 シタグリプチン
5 ボグリボース

正解・解説はこちら

上の説明を読んでくださっていたら問題なく1を選べると思います。

スタチンは関係ないですが、降圧薬と経口血糖降下薬は術前1日は休薬が原則です。術中の血圧や血糖コントロールに用いられる薬剤は経静脈的に投与されます。

術中用いられる降圧薬は何種類かありますが、糖尿病のコントロールに用いる薬剤はインスリンのみです。


第100回薬剤師国家試験 問288より引用

外科の担当医より手術前のワルファリンの休薬期間とその代替薬について外科病棟担当薬剤師に質問があった。
以下の組合せのうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
術前休薬期間  代替薬
1   24時間 - へパリン
2   24時間 - シロスタゾール
3            4日 - ヘパリン
4            4日 - シロスタゾール
5          14日 - ヘパリン
6          14日 - シロスタゾール

正解・解説はこちら
ワルファリンの代替となりえるのは同じ抗凝固薬のヘパリンなので、シロスタゾールは除外。ワルファリンの休薬期間は3〜5日。よって答えは3となります。
「抗血小板薬と抗凝固薬の違いは何だっけ?」となった方はコチラ
抗血小板薬と抗凝固薬の違い、アスピリンとワルファリンの違い

 

以上になります。いかがでしたでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでもお役に立てれば幸いです。

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