作用機序 同種同効薬の違い 病態

抗血小板薬と抗凝固薬の違い、アスピリンとワルファリンの違い

2018年5月27日

ひとくちに血液サラサラの薬と言っても、抗血小板薬とか抗凝固薬とかあるけれども一体何が違うの?何の疾患に使うの?

またアスピリン(商品名バイアスピリン)とワルファリン(商品名ワーファリン)の違いについても解説の要望をいただきましたので、やってみました。

まず概説

アスピリンは抗血小板薬→1次止血を阻害

ワルファリンは抗凝固薬→2次止血を阻害

血小板が関与しているか、凝固因子が関与しているか

アスピリンとワルファリンの違いを理解するには、まず血栓の種類について理解しておかなければなりません。

血栓はどこで作られたかによって性質が異なります。

この図の緑色は内皮細胞です。血液には粘度があるので、青色で描いた血小板は血管壁あたりを流れていきます。

 

動脈における血栓(白色血栓)

動脈:血流が速くずり応力が大きい→血小板が活性化して凝固が進行

血小板は血管壁周囲を流れるため、ずり応力(摩擦力)の影響を強く受け、活性化されます。

→抗血小板薬のアスピリンが適しています。

血小板が多く含まれるため血栓は白色に見えます。

例:心筋梗塞・アテローム血栓性脳梗塞・閉塞性動脈硬化症

いずれも動脈硬化が疾患に強く関係しています。心臓の冠動脈や脳の動脈、下肢の動脈などが動脈硬化によって狭くなり、ずり応力によって血小板が凝集しやすくなることがこれらの疾患の病態です。

冠動脈にステントを留置した場合も、血流が早い部位ですし、血小板がステントに凝集するのを防ぐために抗血小板薬を服用します。

静脈における血栓(赤色血栓)

静脈:血流が遅くずり応力が小さい→凝固因子が活性化して凝固が進行

静脈や、心房細動で拍出できていない心房では血流が遅いためずり応力は小さく、赤血球表面のエラスターゼにより凝固因子Ⅸが活性化され凝固が進行します。

→抗凝固薬のワルファリンが適しています。

血流が遅いために赤血球が多く巻き込まれ、血栓は赤色を呈します。

例:深部静脈血栓症・心房細動・心原性脳塞栓症・肺塞栓

こちらは血流が早くなく、滞っているために主に凝固因子が活性化しています。下肢の静脈や正常な拍動ができていない心房、これらでできたフィブリン血栓が、心臓が次に送り出される脳や肺の血管に詰まってしまうのが塞栓症です。

他にも、人工弁を入れた場合は、体にとって異物ですので凝固しやすい状況にあります。そのためワルファリンを予防的に服用します。

術前の休薬期間についてはコチラ

 

まとめ

まとめると上記のようになります。これで理解の助けになれたら幸いです。
間違いなどあればご指摘お願いします。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。