ピロリ除菌療法のゴロ合わせ PPI併用の理由

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ヘリコバクター・ピロリに感染すると、萎縮性胃炎や消化性潰瘍、胃癌、MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病などの疾患の原因となることが明らかになっています。

そのため、これらの疾患の治療にはピロリ除菌が行われます。定期試験や国家試験でも問われやすいところなので、薬の名前をサッと思い出しやすいようにゴロを紹介します。

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ピロリ除菌療法のゴロ合わせ

ピピー:PPI(プロトンポンプ阻害薬)語尾は〜プラゾール
あーもう:アモキシシリン
クララ;クラリスロマイシン
ダメ:(除菌できないなら)メトロニダゾール

試合で調子の悪いクララを交代させるイメージです。
実際、除菌不成功ならクラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更します。

PPIは治療成績の良いボノプラザン(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー:P-CAB)に取って代わられ、ボノサップ®️が販売されています。タケキャブ®️は成分名ボノプラザンなのでボノサップと命名されているのでしょう。

武田薬品工業株式会社ホームページより引用

 

抗生剤に胃酸分泌抑制薬を併用する理由

①アモキシシリンやクラリスロマイシンが作用しやすいのは、ピロリ菌の増殖能が高いpH>5の時なので、よりpHを高くした方が抗菌薬が作用しやすいためです。P-CABの方が優れているのは、PPIよりもpH上昇が高いためです。

②アモキシシリンやクラリスロマイシンといった抗菌薬は、pHが中性の条件で最も抗菌活性を発揮するため、PPIやP-CABを併用して胃内pHを中性付近まで上げています。

ボノプラザンはPPIよりも胃酸に安定で、かつ胃酸分泌を強力に阻害するため、pHを中性に維持する時間が長いのもポイントです。

ピロリ除菌のポイント

ついでに除菌療法のポイントを押さえておきましょう。

上記の3剤を1日2回1週間服用

除菌4週間以降に検査:尿素呼気試験

ピロリ菌は尿素→アンモニア+二酸化炭素に変えて胃の強酸の中でも生存出来ています。

その性質を利用して13Cで標識した尿素を服用し、呼気の中でどれだけ13Cを含む二酸化炭素が増えたかを測定することでピロリの感染を確認します。

胃の中に食べ物があると尿素とピロリが衝突する確率が下がり、偽陰性となる可能性があがるため食後4時間空けます。

PPIを服用していても偽陰性となりうるため、PPIの最後の服用から最低でも2週間は空けてください。

理解度を確認!

第100回薬剤師国家試験より引用

問 258-259

55歳男性。下記の処方せんを持って来局した。患者は半年前にヘリコバクター・ピロリ菌が陽性と診断され、かかりつけ医にて一次除菌を行ったが不成功であった。今回、二次除菌療法を行うことになった。

(処方)
ラベプラゾール Na錠 10mg 1回1錠(1日2錠)
アモキシシリンカプセル 250mg 1回3カプセル(1日6カプセル)
薬剤A        1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 7日分

問 258(実務) 二次除菌療法で使用される薬剤Aとして適切なのはどれか。 1つ選べ。

1 クラリスロマイシン錠 200mg
2 アジスロマイシン錠 250mg
3 メトロニダゾール錠 250mg
4 メベンダゾール錠 100mg
5 アルベンダゾール錠 200mg

正解・解説はこちら
正解は3です。

薬剤師国家試験 101回 問67.

ヘリコバクター・ピロリの除菌治療に用いられない薬物はどれか。1つ選べ。

  1. ランソプラゾール
  2. アモキシシリン
  3. メトロニダゾール
  4. ファモチジン
  5. クラリスロマイシン
正解・解説はこちら
正解は4です。

 


第114回医師国家試験 F70より引用

Helicobacter pyloriに対する除菌治療を行うことにした。医師と患者の会話を以下に示す。

医師:「①ピロリ菌の除菌治療のためにNSAIDと3種類の抗菌薬を処方します。②1日3回朝昼晩で、1か月間服用していただきます。今までにお薬のアレルギーはありませんか」

患者:「ありません」

医師:「副作用として下痢や皮疹がみられることがありますが、③副作用が出ても我慢して内服を続けてください

患者:「わかりました」

医師:「④除菌が成功すると胃癌は発生しなくなりますが、⑤1〜2年に1度は胃の内視鏡検査を受けることをお勧めします

患者:「わかりました」

医師:「除菌ができたかどうかは2か月後に検査をします」

下線部のうち適切なのはどれか。

a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤

正解・解説はこちら
正解はeです。

1 除菌の3剤にNSAIDsは含まれてません。

2 用法は1日2回の1週間投与です。

3 当然、副作用が出たら中止してもらいます。

4 除菌が成功しても既にDNAにダメージがあったら発癌する可能性があります。


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

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