リナクロチド(リンゼス®️)の作用機序とエンテロトキシン

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作用機序
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リナクロチドの作用機序がコレラ毒素の作用に似ているなと思っていたので調べてみました。

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構造からみてみる

調べてみるとエンテロトキシンの模倣から開発されていたんですね。エンテロトキシンはコレラ菌や毒素原性大腸菌が産生するペプチドで、グアニル酸シクラーゼCのリガンドとして知られています。

長谷川 慎 グアニル酸シクラーゼCの分子認識と活性化メカニズム より引用

下はリナクロチド(リンゼス®️)の構造です。14個のアミノ酸からなります。

リンゼス インタビューフォームより引用

エンテロトキシンに類似であるために、リンゼスの副作用として重度の下痢が報告されています。

リナクロチド(リンゼス®️)の作用機序

リナクロチドはグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体作動薬で、小腸や大腸の粘膜上皮に発現するGC-C受容体を活性化させることにより、細胞内及び細胞外のサイクリックGMP(cGMP)濃度が上昇します。

cGMP濃度の上昇によりプロテインキナーゼGⅡが活性化し、CFTR( Cystic Fibrosis Transmembrane Regulator:嚢胞性線維症膜貫通調節因子)と呼ばれるCl-チャネルを活性化することで、腸管内への塩素イオン及び重炭酸イオン(HCO3-)の分泌が増加します。

加えて、cGMP濃度の上昇は脳への求心性神経の情報伝達を抑制することで、腹痛や下腹部不快感を改善する作用もあるため、便秘型過敏性腸症候群へも適応を持っています。

コレラ毒素の作用機序

一方、コレラに罹患すると、米のとぎ汁のような下痢が出ることがわかっています。

これには2つの作用機序からcAMPとcGMPを上昇させて下痢を惹起することが知られています。

https://cdminny.blogspot.jp/2013/11/wiltims-70-new-look-same-great-taste.htmlより引用

コレラ毒素は腸管粘膜のGsタンパク質をADPリボシル化する
⇒GTPase活性が阻害され、活性化状態が続く
⇒活性が亢進したGsによりアデニル酸シクラーゼを活性化し続ける
⇒ACによりcAMP濃度が上昇
⇒cAMPによってCl-チャネル活性化
⇒Cl-流出により水分分泌が亢進し、下痢

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/30/4/30_4_224/_pdf/-char/ja より引用

グアニル酸シクラーゼを活性化→cGMPが上昇→プロテインキナーゼGが活性化→Clチャネル活性化→下痢


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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