治療と繋げると選択肢を吟味できるし覚えやすい

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勉強法・覚え方

一般問題では単純な知識を問われることが多いですが、治療でどのように使っているかを思い出しながら解くと消去法でも戦うことができます。

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国家試験問題で理解度をチェック!

第101回薬剤師国家試験 問41

消化管からの吸収率が最も高い薬物はどれか。1つ選べ。

 インスリン
 ゲンタマイシン
 スキサメトニウム
 セファレキシン
 バンコマイシン

正解・解説はこちら
正解は4です。

1 インスリンはペプチドホルモンで、消化管で分解されてしまうためほとんど消化管から吸収されません。そのため皮下注射となっています。
もっともあと数年で経口投与できるインスリンが開発されるとの噂もあります。

2 ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系抗菌薬であり水溶性が高いため、ほとんど消化管から吸収されません。水溶性が高いため注射薬です。

3 スキサメトニウムは脱分極性筋弛緩薬で、麻酔に用います。手術中を思い出していただくと、麻酔で眠っているため経口では投与できませんよね。

しかも、「〜ニウム」とついているため4級アンモニウム化合物(配位結合で+に荷電)です。そのため水溶性が高いので、ほとんど消化管から吸収されません。

4 セファレキシンはセフェム系抗菌薬で、水溶性が高いですが、ペプチド類似構造をもつため、ペプチドトランスポーターPEPT1を介した能動輸送により消化管から吸収されます。

これは作用機序を思い出すと導けます。細菌のペプチドグリカン層を合成するのは、ペニシリン結合タンパク(PBP)がトランスペプチダーゼとしてD-Ala-D-Ala構造を認識して繋げていくからでした。βラクタム系はPBPにD-Alaに似ているため取り込まれて合成を阻害するのでしたね。

なので、Alaが2つ結合した構造=ペプチド構造と導けます。

5 バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬で水溶性が高く、また分子量も1500と大きいため、ほとんど消化管から吸収されません。この性質を利用して、偽膜性腸炎に対しては経口投与し、腸内のクロストリディオイデス・ディフィシルを除菌します。


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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