DOACの違い・使い分け

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DOAC(Direct Oral Anticoagulants)にはダビガトラン(プラザキサ®️)、リバーロキサバン(イグザレルト®️)、アピキサバン(エリキュース®️)、エドキサバン(リクシアナ®️)があります。

これらの特徴や違いは何でしょうか。DOACの各薬剤の違いについてまとめてみました。

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DOACの違い

  ダビガトラン
(プラザキサ)
リバーロキサバン
(イグザレルト)
エドキサバン
(リクシアナ)
アピキサバン
(エリキュース)
作用機序 直接トロンビン阻害 第Xa因子阻害
AF
以外の適応
DVT
PE
DVT
PE
整形外科術後
DVT
PE
用法 1日2回 1日1回 1日1回 1日2回
剤型 カプセル
腎排泄 80% 65% 35% 20%
禁忌(Ccr) 30未満 15未満 15未満 15未満
併用禁忌 イトラコナゾール アゾール系抗真菌薬
HIVプロテアーゼ阻害薬
減量基準 Ccr50未満
P糖蛋白阻害剤
出血リスク(70歳以上、
消化管出血の既往)
Ccr50未満
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
フルコナゾール
Ccr50未満
P糖蛋白阻害剤
80歳以上
Cre1.5以上
体重60㎏
イトラコナゾール
ボリコナゾール
リトナビル
特徴 脳塞栓予防効果が高い
出血合併症頻度が高い
出血合併症頻度が高い 整形外科術後適応 出血リスクが低い
ポイント
・DOACは高度腎機能低下では不適
・高度腎機能低下や機械弁に対してはワルファリン
・1日1回投与はリバーロキサバン、エドキサバン
・出血リスクが高い症例ではアピキサバン
・脳塞栓リスクが高い症例ではダビガトラン

ダビガトラン(プラザキサ®️)は、心房細動以外の適応を持たない代わりに脳塞栓予防効果が高いのが強みです。
アゾール系抗真菌薬と併用禁忌なのは商品名に「ザ」が付くやつです。

国家試験問題で理解度をチェック!

第105回薬剤師国家試験 問273

54歳女性。152cm、48kg。高血圧、脂質異常症、深在性皮膚真菌症の治療のため処方1と処方2の薬剤を服用していた。その後、深部静脈血栓塞栓症を発症し、その治療のため処方3が追加となった。

PT-INRを治療目標域に到達させるため、ワルファリン投与量の調節を試みたが、PT-INRが3.0~6.0で推移し、コントロールが困難であった。医師は患者や薬剤師と相談し、薬物動態関連遺伝子の多型を検査することにした。

遺伝子多型検査の結果、CYP2C9のホモ変異を有することが判明し、医師は代替薬について薬剤師に相談した。医師に提案すべき抗血栓薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. アピキサバン錠
  2. シロスタゾール錠
  3. ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル
  4. チクロピジン塩酸塩錠
  5. リバーロキサバン錠

 

正解は1です。

選択肢の中で抗凝固薬なのはアピキサバン、ダビガトランとリバーロキサバンですが、深部静脈血栓症への適応を有しているのはアピキサバンとリバーロキサバンです。

また、上記の表の通り、ダビガトランとリバーロキサバンはイトラコナゾールとの併用は禁忌です。

よってアピキサバンが答えになります。


以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いです。

 

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