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ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、ムコフィリン(去痰薬)の作用機序と使い分け

2017年1月27日

小児科や耳鼻科では毎日のように去痰薬が処方されます。

日常的によく調剤しているムコダインやムコソルバン、ビソルボン。それらの違いはどこにあるのかまとめてみました。

N-アセチルシステイン(ムコフィリン®)

システインのアミノ基がアセチル化された構造を持ちます。

SH基を持つため、ムコタンパクのジスルフィド結合(-S-S-)を切断して痰の粘度を下げます

基本的に単独では使用せず、気道拡張のメプチンと併用して吸入することが多いです。

ちなみに、アセトアミノフェン中毒の解毒剤の成分でもあり、経口製剤もあるものの、味はまずいです。

 

カルボシステイン(ムコダイン®)

システインの硫黄元素に-COOH(カルボキシ基)が結合しているために、SH(チオール基)がなくジスルフィド結合切断能はありません。

杯細胞の過形成を抑制して分泌を正常化します。=分泌↓

シアル酸とフコースの割合を正常化させて気道粘膜修復を行います

 

アンブロキソール(ムコソルバン®)

構造に臭素(ブロモ)が入っています。

肺表面活性物質(肺サーファクタント)分泌の促進⇒サラサラにします。

線毛運動亢進作用があります。

 

ブロムヘキシン(ビソルボン®)

こちらも構造に臭素(ブロモ)を含みます。

アンブロキソールの作用に加え、酸性糖蛋白の線維を溶解します
肺サーファクタント分泌の促進と線毛運動亢進作用を持ちます。

 

各薬剤の使い分け

喀痰の量が多い⇒杯細胞の過形成抑制作用のあるムコダイン

急性期で痰のキレが悪い⇒糖蛋白の切断作用のあるムコフィリン

慢性的に痰のキレが悪い⇒肺サーファクタント分泌作用のあるビソルボン or ムコソルバン

 

インフルエンザとの関連

ムコタンパク=ムコ多糖(シアル酸やフコースなど)+タンパク

インフルエンザウイルスはウイルス表面のヘマグルチニンを用いて、ヒト気道上皮細胞表面のシアル酸へ結合して感染します。

カルボシステイン(ムコダイン®)はシアル酸とフコースの割合を正常な状態へ是正することで作用を発揮する去痰薬ですが、喘息やCOPD患者においてインフルエンザ罹患率を下げるというデータがありました。

その背景にはウイルスレセプターであるシアル酸を減少させることが関与しているかもしれません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20543005

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倉原 優(2014) 呼吸器の薬の考え方、使い方 中外医学社 

読みやすい文体で、かつ重要な項目をまとめているのでそのまま頭の整理もできます。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。