医療従事者に必須の知識 同種同効薬の違い

アドレナリン皮下注射、筋肉内注射、静脈注射の違い・使い分け

2019年3月12日

アドレナリンの使用用途は幅広いですが、心肺停止の時には◯◯注射、気管支喘息の時には●●注射、アナフィラキシーショックの時には▲▲注射という使い分けが存在するのはご存知でしょうか。

薬学部の時も一時混乱したのでまとめておきます。

どれだけ体内に入りやすいか、効きが早いかで変わってくる

一般的にアドレナリンの投与経路としては皮下注射、筋肉内注射、静脈注射が存在します。

皮膚、筋肉、静脈では、最も全身にまわりやすい(=血管内)のはそのまま血管内に入る静脈です。

皮膚と筋肉では、筋肉のほうが血流が多いので、静脈の次に全身に循環しやすいです。さらに、血管にはα1受容体とβ2受容体が存在していますが、皮膚の血管と筋肉の血管でそのバランスが異なります。皮膚ではα1受容体が多く、筋肉ではβ2受容体が多くなっています。(←動物と戦っているとき、牙や爪で出血しても止血しやすく、戦うための筋肉に多く血を巡らせる野生動物の名残)

皮下注射ではアドレナリンによって血管が収縮してしまい、血中濃度が上昇するのに時間がかかってしまいます。そのため緊急時には不向きです。

 

全身循環への乗りやすさ静脈注射>筋肉内注射>皮下注射となります。

そしてその順番はそのまま効き始めるまでの速さにも直結します。

あとはアドレナリンの性質と病態と合わせるだけ

アドレナリンはα作用、β作用を同等にもつ薬剤です。

ノルアドレナリンとの違いについて知りたい方は
アドレナリンとノルアドレナリンの違いと使い分け 作用機序 ゴロ

主な病態としては心肺停止、気管支喘息、アナフィラキシーショックが挙げられますが、「全部静脈注射したらいいじゃないか」と思われませんか?

しかしながらアドレナリンはβ作用が強いため、投与量によってはVTやVFなどの不整脈を引き起こします。不用意に全身循環にたくさん乗せるべきではないのです。

心肺停止に対しては心臓にしっかり届くように静脈注射で用います。まずは止まっている心臓を動かすことが最優先ですのでここでは不整脈の副作用よりも優先されます。

その次にアナフィラキシーショックですが、1型アレルギーなのでヒスタミンなどの作用によって気管支収縮や血管拡張、血管透過性亢進の病態です。心臓に届かせる必要はない一方で、全身の血管に作用させる必要があるので筋肉内注射です。ショック状態ですので急いで改善させる必要があることからも筋肉内注射が選ばれます。

最後に気管支喘息です。上記2つの病態に比べると比較的緊急性の弱い病態です。また、心臓に効かせる必要もないため皮下注射となります。

以上となります。ものすごくざっくりですが、イメージが湧いたなら幸いです。間違い等あればご指摘をお願い致します。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。

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