医療従事者に必須の知識

アセチルコリンで血管が拡張する理由

2017年5月17日

アセチルコリンは血管平滑筋のムスカリン受容体に作用して血管を拡張しますが、どうやって拡張させているのでしょうか。

イラストを書いて整理してみました。

ノルアドレナリンとの違いは?なぜ血管拡張する?

ノルアドレナリン(α1受容体に作用)や、アンジオテンシンⅡ(AT1受容体に作用)、TXA2は血管平滑筋収縮に働きます。

アセチルコリン(M1・M3受容体に作用)は血管平滑筋弛緩に働きます。

α1受容体も、M1やM3受容体もGqタンパクを介して反応が進みます。

Gq⇒PLC⇒PIP2がIP3とDGに分解⇒平滑筋収縮と考えてしまうと…アセチルコリンがどうやって血管を拡張させているのか混乱してしまいます。

実際のところ、ヒスタミンとアセチルコリンなどの血管拡張に働く物質は、

AChが血管内皮細胞で、受容体を刺激
⇒一酸化窒素(NO)合成酵素を活性化
⇒アルギニンからNO遊離
⇒NOは分子量が小さく極性もないため細胞膜を通過して血管平滑筋へ移行
血管平滑筋で、NOがグアニル酸シクラーゼ活性化
⇒GTPがcGMPへ変換される
⇒Gキナーゼ活性化
⇒ミオシン軽鎖ホスファターゼを活性化
⇒ミオシンの脱リン酸化
⇒平滑筋弛緩し、血管拡張

という経路をたどっています。赤字のところを見るとわかるように、2箇所で働きかけることで作用を発揮しています。ここが混乱しやすいポイントでした。

まとめ

アセチルコリンが血管内皮細胞でNOを産生し、そのNOが血管平滑筋細胞へ移行して血管が拡張するのですね。

このことを理解しておくと、生理学や循環器におけるニトログリセリンの理解に役立ってきます。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。