いろいろ 医療従事者に必須の知識

薬剤師は医師国家試験を使って勉強するといいかも

2019年12月24日

薬剤師も医師もそれぞれの薬剤に特徴的、重要な副作用を覚えなければならないのですが、薬学生の時は副作用のイメージが湧かず覚えにくいという思いがありました。

疾患や副作用を覚えにくいのは、具体的なイメージを抱けていないのが一因かもしれません。

医師国家試験は症例を提示してあるので勉強しやすいですし、服用後にどんな症状が出て副作用が疑われるのかをセットで勉強できると思います。

チアマゾールによる無顆粒球症

第108回医師国家試験 D42より引用
42歳の女性。2日間の咽頭痛と40℃の発熱を主訴に来院した。2か月前に甲状腺機能亢進症と診断され、チアマゾール30mg/日を1か月前から内服している。身長155cm、体重45kg。体温40.2℃。脈拍92/分、整。血圧106/68mmHg。呼吸数40/分。SpO2 98%(room air)。両側の頸部に圧痛を伴う径1~2cmのリンパ節を数個触知する。咽頭の著しい発赤と腫脹を認める。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、網赤血球6%、白血球1,300(桿状核好中球0%、分葉核好中球0%、単球1%、リンパ球99%)、血小板21万。血液生化学所見:TSH 0.03μU/mL未満(基準0.2~4.0)、FT3 4.0pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.1ng/dL(基準0.8~2.2)。CRP 26mg/dL。胸部エックス線写真に異常を認めない。
抗菌薬の投与とともに行うべきなのはどれか。

a 顆粒球輸血を行う。
b 赤血球輸血を行う。
c 昇圧薬を投与する。
d チアマゾールを中止する。
e 副腎皮質ステロイドを投与する。

正解・解説はこちら

正解はdです。

私見ですが、薬剤師の視点は有効性と安全性に重きを置いていますので副作用が目につきやすいです。

チアマゾール服用開始1か月での発熱、咽頭痛、リンパ節腫脹が見られ、特に血液所見にも好中球が0%ということから無顆粒球症と判断します。

この副作用の早期発見のために服用開始から2ヶ月までは2週間に1回は血液検査で経過を観察します。

 

NSAIDsによる心負荷

第106回医師国家試験 G50より引用

62歳の女性。数日前からの息切れと全身倦怠感とを主訴に来院した。心不全の治療のために専門外来に通っていたが、症状が安定したので3か月前に自宅近くの診療所を紹介された。同診療所を受診した際、新たに脂質異常症、変形性膝関節症および不眠症と診断され、それぞれに対し3週前から薬物療法が開始されたという。意識は清明。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧122/88mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈の怒張を認める。心尖部でIII音を聴取する。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾を触知しない。両側の下腿に圧痕性浮腫を認める。
この病態の原因になった内服薬として最も考えられるのはどれか。

a 利尿薬
b ベンゾジアゼピン系薬
c HMG-CoA還元酵素阻害薬
d アンジオテンシン変換酵素阻害薬
e 非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs)

正解・解説はこちら
正解はeです。

頸静脈の怒張、Ⅲ音、coarse crackles、肝肥大、下腿浮腫からうっ血性心不全と判断します。

選択肢の薬剤の中でこれをきたしうるのは、腎血流量の保持や尿細管でのNa再吸収抑制作用を持つプロスタグランジンの産生阻害をするNSAIDsです。

 

 

以上いろいろ書きましたが、一度試してみるのもいいかもしれません。少しでも参考になれば幸いです。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。