作用機序 医療従事者に必須の知識

心房細動の治療薬 レートコントロール・リズムコントロール

2018年6月5日

臨床の場でよく遭遇する心房細動。その治療薬として抗不整脈薬や抗凝固薬が用いられます。その中でレートコントロールとリズムコントロールの違いについてご存知でしょうか?

まとめてみました。

心房細動とは

心房で洞房結節以外の部分から異常な電気信号が起こり、リエントリー(電気の旋回)が起こり、心房の細かい振動が起こります。

心電図

・心房は異常な電気のため正常な収縮ができずP波はみられません
・心室の伝導に異常はないため細いQRS波
・心房の異常な興奮は房室結節が止めてくれますがあまりにも数が多いため間引いても止めきれず、RR間隔は不整、基線の細かな揺れ(f波)

治療薬

リズムコントロールとレートコントロール

心房細動は心房の異常な興奮による頻脈性の不整脈です。RR間隔が不整であり、頻脈です。

リズムコントロール:リズム(異常な電気興奮)を正常に戻す

レートコントロール:リズムは変えずに心拍(Heart rate)を落とす

 

リズムコントロールの薬

心房細動は心房内の異所性の電気刺激によるリエントリーが原因でした。ということは電気刺激による興奮、つまりNaチャネルを抑えてあげれば良さそうですね。

抗不整脈薬のNaチャネル遮断薬(ボーンウィリアムス分類のⅠa群、Ⅰc群)がリズムコントロールの薬として用いられます。

なぜⅠb群が用いられないのか⇨抗不整脈薬のゴロ 使い分け

レートコントロール

心房細動は頻脈なので、心拍数を下げる薬剤がこれに該当します。

・ジギタリス

・Ca拮抗薬

・β遮断薬

このうち、ジギタリスとCa拮抗薬はWPW症候群に伴う心房細動では、正常の伝導を抑制して副伝導路の伝導を促進して悪化してしまうため禁忌となっています。

 

どっちがいいのか?

リズムコントロールとレートコントロール、結局どちらがいいのでしょうか?

海外の大規模臨床試験のAFFIRM試験、日本で行われたJ-RHYTHM試験において、レートコントロールとリズムコントロールの2群に分けて経過を追跡したデータがあります。

結果、この2群間で総死亡率や心血管イベント発生率に有意差は認められませんでした。

そのため自覚症状のない患者さんには比較的副作用の少ないレートコントロールが用いられることが多くなってきています。

以上となります。少しでもお力になれれば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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医学部へ学士編入した薬剤師です。医学や薬学について書いています。ご質問やご指摘があればお気軽にどうぞ。