肝代謝型薬物と腎排泄型薬物の一覧と覚え方

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ゴロ合わせ

薬を処方する際にも、調剤する際にも気に留めておかないといけないのが、肝代謝型なのか、腎排泄型なのかという性質です。

この判断についてはコチラ
肝代謝型と腎排泄型薬剤の判断・指標

一覧があると勉強しやすいかと思い、まとめてみました。

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排泄経路から何がわかるのか?

肝代謝型なのか、腎排泄型なのかという性質をおさえてしまえば、相互作用もあわせて理解することができます。

肝代謝とか腎排泄って?

上の図と対応してます。

腎排泄型はシンプルです。水溶性であるためほとんどが代謝を受けずに腎臓を介して尿中に排泄されます。

肝代謝型の薬物は、基本的に脂溶性の薬剤です。

たどるルートは大きく3つです。

1.肝臓で代謝を受けずにそのまま胆汁へ排泄
2.肝臓で代謝を受けても水溶性が低いため胆汁・糞便へ排泄
3.肝臓で代謝を受けて水溶性が高くなり尿中へ排泄

※注意すべきなのは3番で、代謝物に活性がある場合には、未変化体(代謝を受ける前)と活性代謝物を合わせて考えます。それらに腎臓の関与が大きければ腎排泄型に分類されます。例:アロプリノール

それぞれの薬剤の特徴

脂溶性である肝代謝型薬剤は、体の外へ排泄するために肝臓で水溶性をあげていきます。そのため肝臓に多く存在しているCYPの影響を受けることが想像できるかと思います。→CYPを介した相互作用が多いということが導けます。

例えば、カルバマゼピンやフェノバルビタール、フェニトインなどの抗てんかん薬は、容易に細胞膜を透過してCYPの発現を誘導します。カルバマゼピンなどは自らを代謝する酵素を誘導するので、この性質を自殺基質と呼びます。

 

腎排泄型薬剤はその名の通り、腎臓から排泄されますが、尿酸排泄促進薬のプロベネシドは、もともとペニシリンの排泄を阻害してその作用を延長させることを目的に作られた薬剤です。そのため当然ペニシリン系との相互作用があります。

プロベネシドは他の腎排泄型のメトトレキサートなどの排泄も邪魔してしまいます。

 

一覧表

Ae(尿中未変化体排泄率)で分類されます。

肝代謝型(Ae<0.3)腎排泄型(Ae>0.7)
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
バルプロ酸
リファンピシン
イソニアジド
エリスロマイシン
オメプラゾール
プロプラノロール
リドカイン
アミオダロン
シクロスポリン
タクロリムス
ベラパミル
アムロジピン
テオフィリン
リチウム
ペニシリン
バンコマイシン
アミノグリコシド系
アロプリノール
ダビガトラン
アテノロール
ジゴキシン
メトホルミン
フィブラート系
シスプラチン
メトトレキサート
リバビリン
エンテカビル
オセルタミビル
ファモチジン

比較的よく出会う薬剤をピックアップしてみました。

シンプルに連想してみます

といってもこれだけ見て覚えようとするとただの暗記となり苦痛を伴いますので、簡単に整理してみましょう。

肝代謝

肝代謝型の表から、何に使う薬かをみてみましょう。

脂質の多い中枢神経へ働く抗てんかん薬
血球に移行する免疫抑制薬マクロライド系抗菌薬
高級脂肪酸であるミコール酸を持つ結核菌に効く抗結核薬
1日1回投与が多いカルシウム拮抗薬

これらは脂溶性が高そうなイメージを持ちませんか?

脂溶性が高そうだ→肝代謝型と連想できるようになると、覚えるのも苦痛ではなくなると思います。

例えば、表の上。

抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン)、リファンピシンはいずれもCYP誘導作用のある薬剤です。

CYPを誘導する=DNAの発現を促進=細胞膜を通過して転写因子としてDNAに作用

細胞膜は脂質二重層なので、それを通過するということは脂溶性=肝代謝型です。

腎排泄

作用機序から連想していくといいかもしれません。

例えば、尿酸合成酵素阻害薬のアロプリノールは尿酸と同じくプリン骨格を持つことで合成酵素を阻害します。

ここで、尿酸は水に溶けるかを思い出すと、その名の通り尿に溶けている酸なので溶けます。ということはその尿酸に構造が似ているアロプリノールも溶けると連想できそうですよね?

メトトレキサートも同様です。

抗ウイルス薬(◯◯ビル)は、ウイルスのDNAやRNAの合成を阻害するので、ほとんどは核酸に似せたアナログ製剤です。核酸は水に溶けるので、それに似ている薬剤も水に溶けると連想できそうです。

国家試験問題で理解度をチェック!

薬剤師国家試験 103問70

重篤な腎機能障害のある患者に禁忌となっている薬物はどれか。1つ選べ。

1 アレンドロン酸
2 チクロピジン
3 メトトレキサート
4 クエチアピン
5 シルニジピン

正解は3です。

絶対的な正解を覚えればいいです。

ちなみに、有機化学の英語からすると、語尾が「〜ate」のものは酸なので水に溶けやすそうですよね。

あとは「◯◯ジピン」はカルシウム拮抗薬で、主に肝代謝型ということも合わせておさえておきましょう。


医師国家試験 100G114

腎不全患者で投与量を減らすのはどれか。

a バンコマイシン
b リファンピシン
c ニフェジピン
d フロセミド
e リドカイン

正解はaです。

リファンピシンはCYP誘導作用がありましたよね。ということは細胞膜を通過してDNAに働きかけなければなしえませんので、脂溶性は高いと推測できます。加えて、肝障害の副作用があることからも脂溶性の性質に矛盾しません。

〜ジピンはカルシウム拮抗薬なので切れますね。

フロセミドは腎不全では効きにくくなるのでむしろ増やします。

リドカインとかの局所麻酔にも使われるような薬剤は脂溶性高くないと神経にまで浸透しにくいですよね。だから脂溶性ですので切れますね。


医師国家試験 114A68

78歳の女性。皮疹と食欲低下を主訴に来院した。高血圧症、狭心症および脂質異常症で自宅近くの医療機関に通院し、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬およびスタチンの処方を受けていた。20日前の定期通院時の血清クレアチニンは0.7mg/dL、eGFR 61mL分/1.73m2であった。5日前から左背部から側腹部にかけて痛みを伴う皮疹が出現し市販のNSAIDを服用していたが改善せず、食事も摂れなくなったため受診した。意識は清明。身長152cm、体重41kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧142/80mmHg。左背部から側腹部にかけて紅斑と水疱を認め強い疼痛を伴っている。血液所見:赤血球341万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球3,700、血小板17万。血液生化学所見:尿素窒素23mg/dL、クレアチニン1.4mg/dL、eGFR 28mL/分/1.73m2、総コレステロール210mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 0.7mg/dL。帯状疱疹と診断され、強い痛みと食欲不振もあることから入院の上でアシクロビルによる帯状疱疹の治療を行うこととした。

この患者で減量して投与すべきなのはどれか。2つ選べ

 NSAID
 スタチン
 抗血小板薬
 アシクロビル
 カルシウム拮抗薬
正解はaとdです。

帯状疱疹で市販のNSAIDs使ったら急性腎不全になってしまった症例ですね。NSAIDsの危険性を教えてくれています。

アシクロビルは上述の通り、核酸に似せて作っているため水溶性のものが多いです。そのため腎機能が低下している症例では減量が必要です。

スタチンもカルシウム拮抗薬も代表的な肝代謝型です。

抗血小板薬もほとんどが肝代謝型なので減量は不要です。血小板の内部で作用する薬剤が多いことから脂溶性が高いと推測できれば導けます。

必ず添付文書などで確認してください!

つらつらと書いてまいりましたが、最終的には信頼のできる情報源にあたって調べてください!!

特に腎排泄型薬剤については、日本腎臓病薬物療法学会のホームページにある、「腎機能低下時、最も注意が必要な薬剤投与量一覧」のPDFを確認してください!

感謝

この記事を見て、絶賛してくださった薬学生の方がお礼のメールをくださいました!

薬学生や医療従事者の方々、そこから患者さんのためになる記事を作ろうと思ってこのブログを運営してきたので、大変力をいただけました。

ここで感謝申し上げます。


今回は以上です。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

お力になれれば嬉しいです。

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